第3話 異世界での初めての夜

「ふぅぅ......」

ご飯を食べ終えて外に出た俺は思いっきり伸びをした。

お金のことに関しては、今は考えなくてもいいみたいだ。

「ねぇお兄ちゃん今日は一緒に寝よ?」

俺に抱き着いてた燐がそんなことを言い出した。

「え?あ、まあ、いいけど......でもなぜ?」

「だってお兄ちゃんはここに今日来たばっかりなんだからさー」

「ええと......?」

「つまり夜にはいつもなんか起きるんだよー、だからそれからお兄ちゃんを守らなくちゃいけないもん」

「そ、そっか......?」

一体何が起きるんだろうと俺はちょっとワクワクしていた。

帰り道で俺はある店が気になった。

「......?」

なんというか燐に聞かなくても分かるほどの何かがあった。

「お兄ちゃん?......あーあれね......」

俺が見ていた先の店が燐にも分かったようだ。

「知ってるの?」

「まぁね、お兄ちゃんってああいうのが好きなんだー、へぇ......」

なぜか燐は上目使いで俺を見る。

「にひひ......家に帰ったらしてあげるー」

「ちょ、ちょっと一体あの店って......」

燐はそういうと俺の腕を引っ張っていく。

「え?だから、家に帰ったら分かるってば」

「あ、うん......?」

その後、なぜか俺は燐に引っ張られながら家に帰るのだった。


家に帰った俺と燐。

家の電気を点けリビングでくつろぎながら、昼間飲んだ赤い飲み物を飲んでいた。

「なぁ燐?この飲み物の名前って」

「それは、ツヒールっていう飲み物」

「ツヒールね......」

で燐は何してるのかと言うと、お風呂でなんかしているらしい。

ツヒールは最初は俺の口にあまり合わなかったが、今飲んでみるとそこまでではなかった。

どんな料理でも何回も食べたり飲んだりしているといずれは慣れるもんなんだろう。

とりあえず俺はツヒールを飲みながらテレビを見ていた。


「あーもうっ......」

若干キレ気味で俺の所にやってきた燐。

「どうした......?」

「お風呂でお湯でなかった......ごめんね?」

「あー、大丈夫だよ......」

燐は俺の隣でシュンとしている。

「他になんかないかな......」

すると燐はツヒールを飲みながら考える。

そして数秒後。

「あ!そうだお兄ちゃん!」

何か思いついたらしく俺の肩を叩く燐。

「な、何?」

「温泉行こうよ!」

「温泉......?ここって温泉あったんだ」

「うん!一応あるんだー、温泉って言っても普通のじゃなくて混浴なんだよー」

「......まじですか」

「お兄ちゃんは私と一緒は嫌かな......?」

「え、あ、いや!そ、そんなことは......」

混浴というと俺は若干の抵抗がある。

何故か分からないが。

「ていうか、燐はその温泉行ったことは?」

「ないけど......」

「ない?」

無いとは一体?

「だって、女の子一人で混浴なんか行きたくないもん!行くんだったら好きな人とかとだったら行くけど.....その......」

あー、そういう......。

やっぱり一人っていうのは抵抗があるらしい。

しかも女の子一人は特に。

「そ、そうだね......じゃあ、俺と行く?俺は燐とだったらいいけど」

「ほんと?」

今までシュンとしていた燐が急に表情が明るくなった。

「あ、最初に言っておくけど、私の裸とか見ちゃだめだからねー?」

「さすがに見ないって......」

まあもちろん見ないように努力はするが......。

とりあえず俺と燐はその温泉に行くことになった。


「ここだよー」

「うわぁ、広いな......」

温泉内に入った俺達。

見た目は大きかったけど、やっぱり中も広いんだな。

「ん?あれは......」

ロビーで内装を見ていると銀髪少女が椅子に座っていた。

なんか見覚えあるような......。

「あ、あれはイリアだー」

燐はそういいながらその少女に近づいて行った。

「あ、燐じゃない、どうしたの?」

「イリアこそどうしたの?」

「んーと、なんか温泉に来たいなーって思ってね」

「そうなんだ!私は、家のお風呂のお湯でないからここに来たんだー」

「え?一人?」

「違うよー、お兄ちゃんと来たんだ......ってあれどこいったんだろー?」

......ちなみに俺はトイレに行っていました。


「あーごめんね、ちょっとトイレで......」

「もうー、トイレ行くなら言ってよー」

「あははっ......」

とりあえず俺と燐は椅子に座った。

「どうする?イリアもお兄ちゃんと一緒に入る?」

「えっ......!?」

俺が先に反応してしまった。

「どうしたの?......もしかしてイリアと入るの嬉しいんだー?ふーん......」

「い、いやそうじゃなくて......」

なぜか燐はジト目で俺を見てくる。

「うーん、私はどっちでもいいかな~?」

とイリアは上目づかいで答えた。

「それじゃあ早速はいろーよお兄ちゃん」

すると燐は俺の腕に抱き着いてきた。

「イリアもどう?」

「えっ?い、いいの?」

「うんいいよー」

なぜか燐が言うのでイリアも俺の腕に抱き着いてきた。

ロリ美少女の二人に腕を取られるとかすごいな......。

しかもイリアも燐もおっぱいは小さいとか......。

ってどうでもいいな。

とりあえず俺達はお風呂に行くべく脱衣所に行った。


「わぁ、お風呂もひっろーい!」

脱衣所で服を脱ぎガラスの扉を開けた先には大きな露天風呂があった。

「すっげぇ......異世界でも綺麗だな......」

俺は異世界にもこんな綺麗な場所があることに感動した。

「お兄ちゃんっ、背中流してあげるー」

「い、いいの......?」

「うんっ!だけど、後で私とイリアの背中も流してね?」

「は、はい......」

俺は気の抜けた返事をしながらシャワーがある所に行った。

「それじゃあ流すよー」

俺は椅子に座ると燐が持っていたシャワーからお湯が出てきた。

「よいしょっと......じゃあゴシゴシしていいよね?」

「は、はい」

俺は若干の緊張があった。

だってこんな美少女に背中洗われることって一生ないだろうに......。

「気持ちいいかな?」

燐はおずおずと俺に聞いてくる。

「う、うん、気持ちいいよ......」

「よ、良かった......」

燐はぎこちない手つきで俺の背中を洗っていく。


そして数分後。

「は、はい、洗い終わったよー」

「あ、うん、ありがと」

俺は燐に俺を言うとシャワーでその泡を流していった。

「それじゃあ次は私だねー」

「......ていうかイリアは?」

「え?ああ、なんかサウナ行くとか言ってたような......?」

俺の知らないところでそんなことを......。

まあいいや。

「早く洗ってー」

「はいはい......」

無邪気な子供の様にはしゃぐ燐。

その様子は可愛かった。

「そんじゃあ洗うぞ」

俺は泡だらけのタオルで燐の背中を洗っていった。

「んっ、んうぅ......」

「へ、変な声出すなって......」

「だ、だってぇ出ちゃうんだもんっ......」

俺は出来るだけ燐の変な所を触らないように気を付けた。


「は、はい、終わったぞ」

「え、もう?」

「うん、背中は終わったけど......他にも何かやってほしい?」

「え、あー......う、ううん、なんでもない......よ?」

「......?」

燐が言ったことに俺は少しの疑問があった。

「次はイリアか......」

「それじゃあ私が呼んでくるから待っててね」

シャワーで泡を流し終わった燐は裸のままペタペタとサウナの方に歩いて行った。

さすがにタオル巻いて行けよって思った。

「幼女の背中流すのってどうよ?」

「うーん、まあいいんじゃない?......へ?」

そんな声が聞こえたので周りを見て見ると、一人の男性が俺に声をかけていた。

「そうかそうか、やっぱりいいんだな......」

その男性は俺の隣に座った。

見た目は金髪でイケてる男性だった。

「俺に何の用だ?」

「ああ、別に何もしねぇから大丈夫だって。とりあえず、今背中流していた幼女はお前のか?」

「え?あ、まあ......そう言えばそうだけどそうじゃないというか......?」

「はぁ?どっちだよ?」

正直な所、燐は俺のなのかがあやふやだった。

今日アークに来たばかりだし、しかも急にお兄ちゃんって呼ばれるし......?

「まあ、あの子は俺の妹さ」

とりあえず俺は本当のことを言った。

実際本当かは分からないけど......。

「そっか、あれはお前の妹ね......」

なぜかその男性は少し悔しそうに言った。

「いやどうした?」

「別に、ただあの子可愛いなぁって思ってね」

日本だったらそれ捕まるからね。

いや俺も危ないのかな......?

「まあとりあえずあの子はお前のか......他を探すよ」

その男性はそう言いながら俺から去って行った。

「他とは......?」

俺には一部の考えがあった。

まさか幼女を誘拐したり......?

「そんな事ねぇよな......?」

とりあえず俺はイリアと燐が来るまで待つことにした。


「お待たせーお兄ちゃん」

「ようやく来たか......」

結局十分くらい経ってから燐とイリアが俺の所に来た。

燐たちが来るまで俺は湯船につかっていた。

「ほら早くイリアの背中流しちゃってー」

「お、おう......」

すると燐は俺の腕を摑み湯船から引っ張り出した。

「そ、そんなに強くやらなくてもいいって......」

「あーごめんね」

とりあえず俺はイリアの背中を流すことにした。

「じゃあ洗うよ?」

「う、うん、お願い......します」

イリアは緊張のせいか体が硬くなっていた。

「あんまり緊張しなくていいよ?」

「あ、うん......!」

イリアの背中はモチモチで柔らかかった。

まあ燐の背中もすべすべで柔らかかったけど......。

どっちもいいな.....。

そんなことを考えながら俺はイリアの背中を洗っていった。

「はい終わったぞ」

「あ、ありがと......」

やっぱりまだ緊張しているようだな。

「それじゃあ洗い終わったんだから湯船につかろうよー」

「そうだな......ってもう入ってんのか」

「にひひー......」

「それじゃあ入るか?」

「あ、うん......」

その後俺と燐そしてイリアの三人で温泉を楽しんだ。


「んっしょっと、ほら早くおいでよー」

あの後イリアと別れ家に帰宅した俺と燐。

燐はそう言いながら布団にくるまっていた。

「ええと、ほんとに2人で寝るの......?」

「そうだけどー、嫌?」

「いやそうじゃなくて、なんというか......その、女の子と一緒に寝たことないからさ......」

「そうなの?てっきりお兄ちゃんは寝たことあるのかなって思ってたから」

「さすがに無いですね......」

今の状況を説明すると、リビングに布団が敷かれていてそこに燐がくるまっているという状況。

「じゃあ入ります......」

「ほらおいでー」

燐はそう言いながら手を伸ばしてくる。

俺はその手を掴むと一気に布団に引き込まれてしまった。

「んんっ......これでお兄ちゃんと一緒だー」

「ちょ、ちょっと......!?」

燐は俺に抱き着いてくる。

「ねぇお兄ちゃん?その......ご飯食べた後に見てた店あったでしょ?」

「あ、あったけど......」

「そこの店ってね?こういうことする店なんだよ?」

エロい顔でそれにねっとりしたロリ声でそういう燐。

「ね?お兄ちゃんってこういうのが好きなんだね......」

俺の耳元でささやく燐。

耳元で言うので俺はゾクッとした。

「あははっ、いまビクッてなった......」

「さ、さすがにこれは......!」

「んー?やめてほしい?......やめてあーげないっ」

ずっと俺の耳元で言う燐。

「お兄ちゃんは何もしなくていいからぁ......じゅるぅぅ......ぷはぁぁ」

「ちょっ......!?」

急に俺の耳を舐めてきた燐。

「にひひっ......耳弱いんだー。じゅるるぅ......んんっ、れろれろ......はぁぁ」

燐ってドSだったり......?

その後俺は燐に耳を舐めまわされた。

「......さすがに私も疲れたから寝るねー」

「......」

「あ、あれ......お兄ちゃんだいじょーぶ?」

「な、なんとか......」

「ごめんねー、今日はこれぐらいにしておくから、今日はもう寝よっ?」

「う、うん......」

「それじゃあおやすみー」

燐はそういうとすぐ寝てしまった。

はぁぁ、燐ってドS疑惑あるな......。

少しの間俺は燐の寝顔を見ていた。

「んんっ、すぅ......」

「やっぱ可愛いなぁ」

「はぁ......すぅ......」

燐は寝返りを打つと俺の方に顔を向けた。

「やっば、近くで見ると......」

これが幼女か......と思う瞬間だった。

多分俺はロリコンじゃないと思うんだけど......でも、なんか理性が持たなくなっていた。

こんな可愛い顔が近くにあるので思わずキスしたくなってきた。

俺は燐にキスしようと顔を近づけた。

「......にひひっ、キスはまだダメだよ?しかも、女神にキスはさすがにダメだよぅ?」

すると燐の目が開いた。

「お、おま.....寝たんじゃなかったのか?」

「お兄ちゃんはロリコンなのかなって確かめるためにねっ」

すると燐は俺の唇に人差し指を持ってきた。

「はぁぁ......ごめん」

「別にいいって。......まあでも、いつかはキスしてあげてもいいよっ?」

「......」

「ふひひっ......!」

小悪魔みたいな笑い声を出すと燐は反対の方を向いてしまった。

「......」

たしかに燐は可愛い。でも、キスはダメ。

この衝動分からん。

とりあえず俺はロリコンだということが分かったので、さっさと寝ることにした。

だって燐にキスしようとしたんだからね。


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