ある所に私という凡人がいました。

まぎ

第1話 バイト先の先輩


こんにちは。

これを読んでいる誰かさん。

これは、私の人生の1コマを切り取り貼っておく場所。

箸休め程度に読んでくれたらと思います。




私が高校の1年生の時の話から。

初めてのアルバイトは某お弁当屋さんだった。

学生のアルバイトと言えば飲食店ってイメージもあったし、高校生歓迎だったから。


初めての面接は緊張しすぎて覚えてないけど、無事に採用され働き始めた。

40代くらいおじさんオーナー。

50代くらいのおばさん店長。

20代くらいのイカつい兄ちゃんが副店長。

その他はアルバイトの方々が10人くらい雇われていた。

高校生が多くてアルバイトの半分以上は高校生だった。

高1だった私は1番年下で1番下っ端。


初めてのアルバイトだったし、自分でもポンコツだったなぁと思う。

バイト先でのあだ名は「子供」。

明らかにバカにされてるよね。

私は実名が珍しく覚えずらい。

それも相成ってオーナーが私を呼ぼうとした時、名前が出てこなかったのだ。

「っっっ!子供!!こっち手伝って!!!」

オーナーに悪気はなかったと信じたい。


初めてのバイトでオロオロしていた私は正しく「子供」と言うあだ名がぴったりだった様でバイトを辞めるまでずっと「子供」と呼ばれた。


飲食店のこのノリが私には合わなかった。

週2でしか働いてなかったのに、その2日が辛くて、、、辛かった。

店が火事で燃えてろ!などと願いながら出勤していた。


辛い中でも友達も一応はできたのだ。

向こうが積極的に話しかけてくれたお陰なのだが。(その頃の私には積極性のせの字も無い、、、今もないけど)

2つ年上の女子だった。名前は林さん。

バイト先では「リンちゃん」と呼ばれていた。林の訓読みで「リン」だからだと思う。

彼女は年齢的には高3だが高校には通っていなかった。中卒で社会に出ているのだ。

県外からやってきて一人暮らしをしていた。外見は大人しそうで地味なのだが、ピアスを沢山付けていて自分という芯をしっかり持っていた。私は彼女に憧れていた。

2つしか変わらないのにとても大人びていたのだ。

そんな彼女が良く話しかけてくれて、休日にも遊びに誘ってくれた。

私はそれが嬉しかったし彼女が居たからバイトを続けられていたと思う。

まあ、たった8ヶ月で辞めてしまったのだが。


バイトを辞めたあと、私は高2の夏頃ピアスを開けた。もちろん彼女の真似をして。

ピアスを付けると彼女に近づけて強くなれた気がして好きだった。

とはいえ彼女のピアスの量はとても真似出来ないものだった。

両耳は軟骨まで、眉毛にも数個。舌にもピアス、くるぶしにも開けていた。そして次は手の甲に開けたいと言っていた。

舌に開けた時は、固形物が食べれず1週間アイスを食べたとか、くるぶしに開けた時は、靴と擦れて血が出たとか。

私はそれをかっこいいいいいいい!!!!!と思いながら聞いていた笑←

軟骨までは真似して開けたが耳に髪を掛ける度に触ってしまい激痛が走るので止めた。


彼女のお陰で、私のクソ根暗喪女への道が大きく逸れたと思う。根暗だろうが地味だろうが好きな様に生きようと思えたから。


もう彼女とは何年も連絡を取っていないが、まだピアスを開けているだろうか。

きっと今もかっこよく生きてると思う。






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