マン・アフター・アームヘッド

「マン・アフター・アームヘッド」

  


ネオメシアはレイザーブロウのタイムスリップ狙撃を喰らい体勢を崩すが執拗にアンチアサルトを狙う!ダイナミックフェザーによる空中制動でバランスを取り戻しテトラダイ粒子のデスサイズを形成する。「死ね」そこへ飛んできたのが聖シュンカのボーラだ!ネオメシアの両腕に絡みつく!ウンブリエルだ!

  


「大丈夫か?」オベロンティタニアの狼狽の隙を狙い、ネオメシアを倒すべくウンブリエルがアンチアサルトとの連携を図った!「させるものか!」ウラヌスもレイザーブロウの攻撃ショックから立ち直りオベロンティタニアを再始動する。四本の腕すべてに不気味なビーム刃を灯しウンブリエルに襲い掛かる!

  


そこへ更なるタイムスリップ狙撃!「バカな!正確に狙えるというのか?一万年も離れているのだぞ!」「そのようだな、そして俺はもっと正確に狙えるぞ」ウンブリエルが取り出したのは聖ライカの銛!狙うのはオベロンティタニアの接合部だ!ウンブリエルは漁師のようにオベロンティタニアを狙う!

  


放たれた銛をビーム刃が防御する!しかし三股の銛の左右のトゲを削ぎ取るにとどまり接合部にダメージを受けるオベロンティタニア!「勝ったと思うなよ!ウンブリエル!」ウラヌスが叫んだ!オベロン砲だ!「私も居るぞタイムスリップ教団」フィジカルバズーカの大質量弾!アンチアサルトだ!

  


爆発!オベロンティタニアは爆発四散したかに見えたが・・・。「まだアームコア反応が残存している!」「カエルス!ウンブリエル!死ね!」分離したオベロンが二本のビーム刃を構え、ウンブリエルの上から襲ってくる!爆発したのはティタニアのみだ!「悲しいなオベロン」ウンブリエルは言った。

  


ウンブリエルの剣がオベロンを両断した。オベロンの上半身はウンブリエルの足元に落ちた。「オベロン、貴殿のような者が父祖の道具へと成り下がるとはな」「・・・ククク、ウンブリエル卿。異な事を言う。アームヘッドは生来道具にすぎぬ。今地上に蔓延る者共はその事を忘れた愚か者だ」

  


オベロンはウンブリエルを見た。そして船内をめぐるハッピースレイブを見渡す。「こやつらのほうが余程アームヘッドの本質を捉えていたと言えるな」「オベロン、父祖の世界征服の道具にされることを不幸には思わないのか?」「道具に幸も不幸もあるまい、貴族ごっこも意味のない戯れよ」

  


「オベロン」カエルスが口を開いた。「なんだ人間。申してみよ。この哀れな道具様に」オベロンが自嘲的に言った。「俺はウンブリエルを敵だと思ったことも味方だと思ったこともある。だが道具だと思ったことは一度もない。それはオベロン、お前にたいしても同じだ」「成る程感動的なことをおっしゃる」

  


「ウンブリエル、最後に一つ言っておく。まだ終わっていないぞ!」オベロンが叫んだ!ウンブリエルに接近するアームヘッド!ネオメシアだ!「勝ったと思うなよ!まだワシの野望は終わっておらぬのじゃ!バカなやつめ!道具を哀れむからこうなるんじゃ!」ネオメシアがデスサイズを構えた!

  


「さあ!ブラッディフェザーの化身よ!この紛い物にとどめをさせ!」ウラヌスが叫んだ!「死ね」ネオメシアが応えた。ネオメシアのデスサイズは死にかけのアームヘッドの胸を貫いていた。「・・・なぜじゃ・・・」ネオメシアはオベロンとウラヌスをデスサイズで貫いていた。「何故だと?」

  


ネオメシアは弱っているアームヘッドを狙ったのみだ。オベロンもまたネオメシアにとって敵に過ぎなかった。「お前が紛い物だからじゃないか?」「カエルスゥッ!」ウラヌスの断末魔めいた叫びと同時にオベロンが爆発!その衝撃でついにハッピースレイブの母艦が耐えきれず爆発を始めた!

  


「・・・逃げるぞ」ウンブリエルが言った。「オベロン卿は言っていた。まだ終わっていないと。そう終わりではないのだ」「・・・ウンブリエル、・・・わかった」「こっちだ!」アンチアサルトが手招きする。ネオメシアはそれを追わず虚空をただ見ていた。

  


アプルーエ北の海にかつての移民船団の母艦は沈み、母星の海に眠ることになった。めざとい者はそこから三機のアームヘッドが脱出したのを見ただろう。

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