第19話

「上嶋さん、待たせてごめん……」

 肩で息をしながら、俺は病室に飛び込んだ。ベッドから窓の外をぼんやりと眺めていた上島さんが、ゆっくりとした仕草でこちらに視線を向ける。

 「いいえ、待たせたのはわたしの方です。二日も返信をほったらかしにして申し訳ありませんでした」

 「それは……もう大丈夫だから。で、本当ことって?」

 逸る気持ちが抑えきれない。そんな俺の様子を察したのか、上島さんは、早速本題に踏み込んだ。

 「それでは話しますね。わたしの患っている病について……」

 そこから上島さんの、長い独白が始まった。

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