フラグ分岐3
SNS炎上に関して言えば、今に始まったことではない。インターネットの発展と共に……何度も繰り返されてきた事実なのである。
その現実に目をそむけた結果が今回の事件を生み出したと言えば、皮肉に聞こえるだろうか?
過去に同じような事例があったのに、それを何としても阻止しようと動けなかったのか?
そうした声に背を向けた結果が、様々な炎上案件として取り上げられているのだ。結局、歴史は繰り返しているのである。
それこそ、様々な媒体で忠告されてきたことなのに……。例えば、WEB小説の題材としてSNS炎上が取り上げられても、マイナー作品では日の目を見ることはない。
しかし、一次創作で仮に訴えたとしても掲載するサイトを間違えれば……。
そうした状況を重く見て、まとめサイト勢力の一掃を行ったのはエウロペとSNS上では言われている。
これに関してはエウロペ自身も一部を否定しているようだが、まとめサイト一掃に関しては認めているようだ。
それを差し向けたのは誰なのか? AZISは個人の行動に関してノータッチを貫き、エウロペ信者も否定している。
個人のファンに関しては、そこまで重要視されていない可能性は高いが……。一体、今回の一件を仕掛けたのは誰なのだろうか?
しかし、エウロペが何かの真実に近づいているのは事実らしく、彼女自身も何かが原因でSNS炎上が加速したと考えているらしい。
バーチャルドライバーに関しては、七月にアップデートが予定されており、そこまでは大きな動きはなかったという。
SNS炎上に関しては被害届を出しているようだが、動いたのは警察ではなくガーディアン組織の方だった。
「まとめサイトを動かしているのは、おそらく有名な広告会社なのだろう。警察を抑えるだけの規模の……」
他のガーディアン組織は、バーチャルドライバーの運営から依頼を受けて動く組織と、運営の依頼とは別に動いている組織に分かれていた。
別に動いている組織に関しては、もしかするとエウロペ関係も含めて調べている可能性は否定できない。
つまり、エウロペが近づいている真実の正体に先回りしようとしているのだろう。
「しかし、本当の意味で暗躍しているのは、そちらではない」
別の暗躍している存在がいることを察していたのは、ガーディアンとは全く別のバビロンフォースだった。
そして、エウロペの近づいているものの正体を確かめようとしていたのは、サイト管理人であるブレイズヴェルグ。
何故に彼女がエウロペの近づいているものに関して、興味を持ったのには理由がある。
無数の炎上勢力やまとめサイトを大規模に動かすレベルとなると、よほどのお金が動いているとみてもいい。
しかし、こうしたSNS炎上に政治が関与する物だろうか? そうなってくると、暗躍している存在は絞り込める。
本当の意味でSNS炎上を操っている人物を特定できれば、この事件の全貌も見えてくるだろう。
「原作者が操っているというようなメタな展開はありえないだろう。そうだとすれば、それこそ……」
WEB小説の作者自身が炎上勢力を操っている可能性も考えるが、資金力という意味で却下された。
しかし、大手広告会社や芸能事務所という説も、過去の事例でパターン化しているに過ぎない。
本当の意味での犯人捜しは、まだこれからかもしれない。全ては、バーチャルドライバーをイースポーツの正式種目にするために。
バーチャルとリアルの境界線 アーカーシャチャンネル @akari-novel
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