5.5話:まとめサイト勢力の一掃と新たなライバルの出現
フラグ分岐1
そして、彼女はアスナにとあることを伝え、フリーゲーマー同盟に入る事に。逆に邪魔者が現れると思ったアスナは、拍子抜けだったが。
アスナは「どうしてフリーゲーマー同盟に入るのか?」と尋ねる。彼女が来れば心強いのは事実だが、即答に関しては……罠を疑う彼女も再び拍子抜けをしてしまう。
「この世界は、別の世界のつなぎ……ネットスラング的に言えば『かませ犬』に利用されようとしている」
シルフィードの一言も、さすがに要所を省きすぎて何がどうなっているかアスナにもわからない。
しかし、次の質問に関しては……。
「まとめサイトが介入してもおかしくはない状況なのに、ここにはいない。単純にあなたをターゲットから外したの?」
アスナの質問に対してシルフィードは、数秒ほど沈黙をする。笑いを押し殺しているわけでもなく、普通の沈黙だった。
「彼らは完全に自滅の道を選び、ここからは撤退した。別の炎上題材を探すために手を引いたと考えるべきかも」
その一言を聞き、アスナは若干の覚えがあったのだが……確信があるわけではない。
調べる必要はありつつも、今はシルフィードの言葉を信じることにする。
その一方で、エウロペはいつもの如く炎上勢力を撃破していくのだが、今までよりも手ごたえがない事には違和感を持つ。
自分が強くなりすぎて無双しているように見えるのであれば、別のサイトで炎上あおりを連想する記事が出来ていてもおかしくはない。
それさえも減少傾向なのは、エウロペにとっても何かおかしいと思っていたのである。確かに、数としてはゼロではなく指折り数える程度の炎上記事はあるのだが、過去のように注目はされていない。
それをエウロペの人気が落ち、別の歌い手や海外アイドルに炎上させる人物を変えたとすれば、なんとなくでもニュースサイトが取り上げるだろう。
(一体、何が変わったというのだろうか?)
この状況変化は、あるものと似ているとエウロペは考える。それは、人気が低迷した作品がテコ入れで様々な変更案を入れていくパターンだ。
まとめサイトの一部では『諸般の事情』というワードで閉鎖を告知している場所があり、そうしたサイトの受け皿でまとめサイトが出来るのも……おかしくはない状況である。
それすらも確認されなかったのは、エウロペだけでなく様々な人物も懸念をしていた。彼らがおとなしく炎上行為が『犯罪である』と認識、炎上行為から撤退したと認めるには……。
「炎上行為を犯罪と認めるような法案や条例が可決されたニュースもない。一体、何が起きているのか」
炎上行為が犯罪行為であり、『やめよう、炎上行為』のようなCMは打たれているかもしれない。
しかし、実際に法案や条例で言及されたニュースは存在しない以上、まとめサイトが完全消滅したと考えるのは……まだなのだろう。
エウロペが何かに近づこうとしている一方で、一連のまとめサイトに関する案件を調べていたある人物は、表舞台へ出るための準備を進めていた。
その人物とは、都市伝説を管理しているサイトとしても有名な『バビロンフォース』の管理人、ブレイズヴェルグだった。
サイトの入口には、眼鏡をかけた黒髪の女性アバターが存在するのだが、それが彼女である。
(都市伝説の現実化、その理由はまとめサイトが主導権を握っていると思っていた)
(しかし、実際は二次創作として「なぜこうならなかったのか」や『カップリング』ごり押し勢力の炎上行為の延長……)
(ここまであきれるような末路をたどったのであれば、次に出現するのは誰なのか?)
様々な事を思いながらノートパソコンで記事を打ち続ける彼女だったが、本当に自分が出てもよいのか……という疑問はある。
本来であればバビロンフォースは裏方の役割であり、表舞台に出るような組織でもない。下手をすれば、まとめサイトが炎上あおりを仕掛けてくるのは確実だ。
それでも、今回の表舞台進出を決めたのには別の理由もあったのである。
「不正破壊者の我侭姫、か」
彼女が別のブラウザでチェックしていたWEB小説、それは『
一説によれば、この作品を再現しようとまとめサイトが動いていた噂もあったが、結局は別のニュースサイトが拡散したフェイクニュースという事で決着している。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます