第一章
1:付加思議界へ、ようこそ
【 第 一 章 】
――――――― 1 ―――――――
――
「あと、少し――あと、15分――むにゃむにゃ……」
――日和よ、目覚めるのじゃ。
「あと、5分――5分だけ――むにゃ……」
――こらっ、起きろ! このド変態!
「うるさいなぁ~――あと、もう少しだけ寝かせて……」
――こっ、このぉ~~~……ペドマンガ先生、
「ハッ! な、なにィ~! もっと早く起こせ!!!」
――こ、こいつぅ~~~……
目を見開き、ガバッと上半身を起こす。
なんだ、ココは!?
俺の仕事部屋じゃない!
病院でもない。
そもそも、なんだこの部屋?
パースがくるってる?
誰だ、この部屋を描いヤツは!
おい、リテイクだ、リテイク!
こんなおっかしな部屋じゃ、さすがに原稿通せねーよ!
――ハッ!?
だ、ダレだ、お前は?
よ、幼女だとぉ!
なぜ、俺の大好物、“幼女”がおるんだ?
なんでここに幼女が!?
どうなってるんだ、ココは?
ま、まさか――
――ココは……
天国なのかッ!!!
「おはよー!!」
「!? ――お、おはよう……」
「おい、幼女! ここはドコだ?」
「だ、だれが幼女じゃ! んん? もしかして、おぬし、ワシが童女に見えておるのか?」
「! ま・さ・かのワシっ娘、キター!」
「な、なにをはしゃいでおるんじゃ、おぬし! まあ、ここに来た者は、そやつの主観や願望でワシの姿はいかようにでも変化するから、おぬしにはワシが童女に見えておるんじゃろう、が」
「で、幼女ぉ~、ここ、ドコォ~?」
「――お、おぬし、軽いな……本当に手違いで来た者なのか??? まあ、良い。
ここは
ん?
やっぱ俺、死んだのか? いや、殺されたってのが正しいか?
幼女曰く、死ぬにはまだ早い、って感じ?
つまり――
「えーと……もしかして、生き返らしてくれる――のかな?」
「そうだ」
「おおっ! やったぜ」
「今回はこちらの手違いでおぬしは死んでしまった。故に、転生ボーナスのチャンスを与えよう」
「お! ボーナス?」
「そうじゃ――もちろん、ボーナスなしでそのまま元の世界に戻すこともできるが、どうす……」
「ボーナス! ボーナス欲しい」
「……話は最後までちゃんと聞かんと後悔する事にな……」
「いや、大丈夫! あんな性犯罪者扱いされたままの貧乏生活に戻っても胸くそ悪いだけだし、ボーナス欲しい!」
「お、おう――分かった。では、
カラッ、コロン――
幼女の手元から小さな物体二つが転げ落ちる。
「――これは?」
「輝く
「――で?」
「この二つのダイスを振って
ダイスにはそれぞれ0から9までの数字が刻まれている。いずれか一方のダイスを十の位、もう一方を一の位として読む。すなわち、1度に二つのダイスを投じれば、100通りの数字が現れよう」
「振ればいいの?」
「そうじゃ」
十面体の
見たこともない宝石でできており、美しく透けている。
「まずは“クラス”からじゃ」
「クラス?」
「位、じゃ。ワシのような神になることもある。輝くデカヘドロンは、握った者の
「――てい!」
「……あっ!」
床の上で二つのダイスを滑らすように転がす。
「こりゃ、おぬし! ワシの話は最後まで聞けと云うとるじゃろが!」
「<0>と<0>が出た。幼女、コレは? 0・0ってなんぞ?」
「!!? 0と0じゃとぉ! そ、それは、十の位を10、一の位を0と読む――すなわち、100……」
「ふーん――で、100ってなに? なんのクラス?」
「…………――魔王、じゃ……」
――ワイ、魔王になったっぽい。
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