第2話 黒い封筒 2

「手紙、ちゃんと東堂に届いたかな?」


「届いたさ。ユージの情報収集に抜かりはないよ。だろ?」


「あぁ、社長宛てに届いた郵便の内容は全部チェックするって、インフォ・テーブルの社長室のやつに直接聞いたし、あの内容ならとりあえずは社長に知らせるはずだよ」


須藤裕二は坊主アタマを掻きながら自信満々でそう答えた。彼は人の心に取り入るのが特技だ。


SNS で見つけたインフォ・テーブルの社長室社員に取り入り、あの会社の内情や社長へのコンタクトの道を探ってくれた。


「でも能勝、何か見落としがあるんじゃ」


大きな目をこちらに向けて、心配そうに白石陽菜が言う。彼女は心配症だが、その独自の視点はこの計画を考える上でもとても助けになってくれた。


「大丈夫、何度も確認しただろ。うまくいくさ。」


パソコンを叩きながら、俺は答える。須藤裕二、白石陽菜、そして俺、葵能勝の戦いがいよいよ始まる。小学校からの腐れ縁、今年24歳になる幼馴染3人組の一世一代の大勝負、賽は投げられた。


「さぁ、いよいよゲームの始まりだ」


そう言うと俺は、あらかじめ20台ほど用意していたプリペイド携帯から一台選び、番号をプッシュした。

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