永遠の魔女⑥

 活きのいいのが手に入った。


 そうほくそ笑みながら、私は透明の棺に納められたそれを眺めていた。


 久々の天使だ。女であることが少々難であったが、これで若い男の数倍、いや十数倍の生気を得ることができる。しばらくは安泰であろう。


 あれほど暴れ抵抗した女天使であったが、今では諦めたのかすっかりと項垂れている。あるいはおとなしくしておいて、反撃の機会を狙っているのかもしれない。しかし、それは無駄だ。この領域ではいくら天使とはいえ、私を倒すことはできない。


 唐突にある素敵な想像が浮かんだ。


 私の不意をついて反撃に出る女天使。だが、抗いきれずに私に屈服する。その屈辱に歪んだ顔のまま、女天使から魔力と生気を奪い取る。女天使はそのままの表情で永遠に保存される。


 素晴らしい蒐集物がまたひとつ増える。そう考えただけでぞくぞくしてきた。


 私は透明の棺に映った自分の顔を見た。相変わらず若くて美しい顔だ。いや、ここ最近ではあの頃よりも若くなったのではないかと思えるほどであった。


 こうして私は永遠に若いまま生きていく。そうすればあの人も……。

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