第21話 勇者冒険する ⑤


リーダー的な男…もといオーネルが言っていた非常口から侵入しようと試みるのだが…


なかなか監視の目があるため進むことができない。んーどうしたものか?


「セリナさん。俺が声かけて気を緩ませますから、その先に行っててください。すぐについていきます」


「お、いいね〜。じゃあそうしよう!」











ガサッ、



『ん?おい!そこにいるのは誰だ!』


「おいおい打つなよ?俺だ、オーネル」


「あ、すみません!オーネルさん!で、出したんすか?」

「あぁ、街道で待ってても暇すぎてなぁ、ヤ…ヤりに帰ってきたんだよ」


「なるほどっす。羨ましいですよ、オーネルさんの女可愛いですし。あぁあー俺もハメテーですわ」


「絶対やらせねぇーからな」

「わかってますよ!」




そんな会話が聞こえる中、私は扉を開き木の中を登る螺旋階段を進み続けていた。


さてどうしたものか…女性達は住人いるし、私には転移のスキルなんてものもないし…

こういう世界ってご都合主義とか考えてたけどやっぱり甘くないのかなぁ…



「ん?おい、そこのピンク髪のお前どうやってここに来た?」


「あ…」ヤバッ


螺旋階段の途中にあるスペースにいた男に見つかった。

ここは…よし、


「こ、ここをあがって…女性たちがいる部屋に行けって…い、言われたから…」


「ほぉ、拐ってきた女か、それにしても美人じゃねぇーか、おいお前壁に手ついての尻だせ。1発かましてやる」


話し方きたヒゲモジャでメタボなキモい盗賊は自分のズボンを下ろし、アレを曝け出した。


「え……なんか…ちっさくない?」


「…え、は、な、なな何を!!!!!?」


いや、昔見たお父さんの…いや、やめておこう…

というか…


「そんな汚いのしまってくれる?」

「ウルせぇ!お前は黙って尻だせば…


<斬ッ!>


……へ?」


ボトッ…



「私急いでるから…」


私は手に持ったダガーをしまい、その場を後にした。


「…ッ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!?」


声にならないような叫びを上げる男は、男としての人生を終了した。








私と盗賊くんもといオーネルさんは、一つの鍵のかかった扉の前に立っていた。

ここに女性達が閉じめられてるんだね…

さてどうしたものか…


オネールさんが南京錠のロックを外し、開かれた扉の先には少し怯えた表情をする少女たちがいた。


「こんにちは、私はセリナ。冒険者やってます。皆さんを助けにきました」


そう言ったのだがオーネルさんがいるからか警戒が解けない。

どうしたものか…


「ここにいるオネールさんの子供を身篭ってるのはどの子?」



「…は、ハイ…私です」


そう言って手を上げた金髪の少女は少し弱々しく説いた。

私はその子にゆっくりと近づき座っていた彼女の目線に合わせるように屈んだ。


「彼は貴方に償うためにこの場所から救い出そうとしています。今の彼は害はないと思うけど…貴方たちが信じないのも無理は…


「オネールさんは!…オネールさんは…私たちに優しくしてくれました。確かに私を拐って…その……シたときは怖かった…恨んでた…でも彼は私に…私たちに気を使ってくれたんです…だから…私たちは彼を信じます…本当に貴方がここから救ってくれるのであれば…」


「…そっか…じゃあ…行こうか!」

「よしっ、じゃあこっちだ!…なっ!!」


「どしたのオーネルさん……ありゃ」



そこにいたのはこの盗賊の頭…



『行くって…どこへだ???ん?』



その男は不敵な笑みを浮かべ剣を抜いた。

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