第11話 動き出す歯車 ③
「リ、リリーネ……もうそろそろいいんじゃない?」
「ダ〜メ♡まだま…だ…あっ♡ 諸刃く〜ん♡」
◇
【モロハパパ】
おいおい,そろそろ帰ろうって言いにきたんだが…これは…入れる雰囲気じゃない…
もうこれ完全にあれだな…
まだモロハたちには教えなくていいと思っていたんだが…
まさか知っていたとは…
本当は何してるんだ!!って言いに行くところなんだろうが…お楽しみのところを見るのもちょっと生々しい…
ひとまず終わるまで、アリオス子爵と話でもしておこう…話はあとだな…
「アリオス殿、もうちょっとだけいさしてもらってもよろしいか?」
「どうぞ、私もオルネスタ殿と話をしたかったところです!」
よし,2人がお楽しみなのは伏せておかねばな、
「最近のリリーネ嬢は、モロハのことをどう言ってますか?」
「はい、『早くモロハくんに会いたい!』とか、『パパ!次公爵家に行くのはいつ!』とか、もう頭の中がモロハくんでいっぱいみたいな感じですな。年頃の娘と言うのは大変です。ちょっと悲しいですけどな」
その可愛い娘さんは、うちの息子と…
いや,これだけは言えない…
「そうですか…リリーネ嬢もモロハも、8歳らしくない感じがするんですよね」
「確かにそれは思いますな、モロハくんも初めて会った時、私に言った言葉が5歳とは思えなかったがな…、モロハくんのステータスは結構高いと聞きましたが…」
「確かに8歳にしては高いですね、SS級の2つはロックがかかっているみたいで使えないんですけどね」
「ロックか…原因はわかるんですかな?」
「いや,分かってないんです。神々の力が作用しているのは分かっているんですけど…」
「そこに違う神々の力が作用すれば、解除される可能性があるかも知れない…と言うことですな」
「15歳の成人の儀で覚醒してくれたらいいんですけど…」
「まぁ、それまでにもスキルは獲得できるし、体力も増加することもできるし、希望はありますな」
「ところで、アリオス殿の奥様の体調はどうなんですか?」
「あぁ,今、10ヶ月なんだ。そろそろだよ。」
「楽しみですね、やっぱり男の子が望みで?」
「私はどっちでもいいんだ。息子も欲しいが…娘でも全然いい」
「子供はいるだけで、家族を明るくしてくれますからね、」
「確かに。そういえばあの2人、今何しているんだろうな。会話が弾んでいるのかな?」
「ま、まぁ、皇女様との婚約話の後ですし、恋人同士つまる話もあるでしょうし」
「まぁ、そうか…でもまさか、皇帝陛下が娘を結婚させようとするとは…」
「確かに意外でした。しかも第一皇女とは…」
ガチャ…
「父さん、リリーネとの話も終わったので、そろそろお暇しましょう」
「そうだな、アリオス殿、いいお話ができて楽しかったです。本日はありがとうございました」
「こちらこそ、モロハくん。うちの娘と仲良くしてあげてくれ」
「は、はい!こちらこそ、 あ,リリーネ嬢ですがちょっと体調が悪いらしいのでベットで寝ています」
「わかった、ありがとうなモロハくん」
モロハを連れ馬車に乗り込む。
俺はモロハと向き合って座ることにした。
「ひとつ聞きたいんだが…いいか?」
「はい、どうしたんですか?」
「…リリーネ嬢とは、お楽しみだったみたいだが…?」
「な、何を言ってるんですか?父さん!」
「バレバレだ。ドア越しにリリーネ嬢の声が聞こえてたぞ」
「そ、そうですか…」
「恋人同士、そう言う性の関係を持つことになるのは必然だが、自重しろよ?」
「はい…」
まぁ、俺自身もルシューナと婚約して7歳で関係を持ったから、人のことは言えないんだがな…
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