第11話 動き出す歯車 ③


「リ、リリーネ……もうそろそろいいんじゃない?」


「ダ〜メ♡まだま…だ…あっ♡ 諸刃く〜ん♡」





【モロハパパ】

おいおい,そろそろ帰ろうって言いにきたんだが…これは…入れる雰囲気じゃない…

もうこれ完全にあれだな…

まだモロハたちには教えなくていいと思っていたんだが…

まさか知っていたとは…

本当は何してるんだ!!って言いに行くところなんだろうが…お楽しみのところを見るのもちょっと生々しい…


ひとまず終わるまで、アリオス子爵と話でもしておこう…話はあとだな…






「アリオス殿、もうちょっとだけいさしてもらってもよろしいか?」

「どうぞ、私もオルネスタ殿と話をしたかったところです!」


よし,2人がお楽しみなのは伏せておかねばな、


「最近のリリーネ嬢は、モロハのことをどう言ってますか?」


「はい、『早くモロハくんに会いたい!』とか、『パパ!次公爵家に行くのはいつ!』とか、もう頭の中がモロハくんでいっぱいみたいな感じですな。年頃の娘と言うのは大変です。ちょっと悲しいですけどな」


その可愛い娘さんは、うちの息子と…

いや,これだけは言えない…


「そうですか…リリーネ嬢もモロハも、8歳らしくない感じがするんですよね」


「確かにそれは思いますな、モロハくんも初めて会った時、私に言った言葉が5歳とは思えなかったがな…、モロハくんのステータスは結構高いと聞きましたが…」


「確かに8歳にしては高いですね、SS級の2つはロックがかかっているみたいで使えないんですけどね」

「ロックか…原因はわかるんですかな?」


「いや,分かってないんです。神々の力が作用しているのは分かっているんですけど…」


「そこに違う神々の力が作用すれば、解除される可能性があるかも知れない…と言うことですな」


「15歳の成人の儀で覚醒してくれたらいいんですけど…」

「まぁ、それまでにもスキルは獲得できるし、体力も増加することもできるし、希望はありますな」


「ところで、アリオス殿の奥様の体調はどうなんですか?」

「あぁ,今、10ヶ月なんだ。そろそろだよ。」

「楽しみですね、やっぱり男の子が望みで?」


「私はどっちでもいいんだ。息子も欲しいが…娘でも全然いい」


「子供はいるだけで、家族を明るくしてくれますからね、」


「確かに。そういえばあの2人、今何しているんだろうな。会話が弾んでいるのかな?」


「ま、まぁ、皇女様との婚約話の後ですし、恋人同士つまる話もあるでしょうし」


「まぁ、そうか…でもまさか、皇帝陛下が娘を結婚させようとするとは…」


「確かに意外でした。しかも第一皇女とは…」


ガチャ…

「父さん、リリーネとの話も終わったので、そろそろお暇しましょう」

「そうだな、アリオス殿、いいお話ができて楽しかったです。本日はありがとうございました」

「こちらこそ、モロハくん。うちの娘と仲良くしてあげてくれ」


「は、はい!こちらこそ、 あ,リリーネ嬢ですがちょっと体調が悪いらしいのでベットで寝ています」


「わかった、ありがとうなモロハくん」








モロハを連れ馬車に乗り込む。

俺はモロハと向き合って座ることにした。


「ひとつ聞きたいんだが…いいか?」

「はい、どうしたんですか?」


「…リリーネ嬢とは、お楽しみだったみたいだが…?」

「な、何を言ってるんですか?父さん!」


「バレバレだ。ドア越しにリリーネ嬢の声が聞こえてたぞ」


「そ、そうですか…」


「恋人同士、そう言う性の関係を持つことになるのは必然だが、自重しろよ?」


「はい…」



まぁ、俺自身もルシューナと婚約して7歳で関係を持ったから、人のことは言えないんだがな…




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