第9話 動き出す歯車 ①


その朝はやけに慌ただしかった。

自室で寝ていると慌ただしい足音が近づいてくるのがわかった。

すると…


バンッ!!


と扉が開くと父さんが顔を青くして突っ立っていた。

「モロハ……皇帝からの呼び出しだ…一体何したんだ?」

「え?あ、何もしてないと思いますけ…ど…


あ、あれかな」


「何したんだ!?」

「え、いや、帰りの道中の広場で第2皇女のユリアナ姫と会って…友達になりました?」


「…はぁ……それが原因だな…早く起きて髪と服装を整えなさい。城に行くぞ」


僕と父さんは馬車に乗り込み城内へと進行した。



馬車を降りきれいに装飾された城の回廊を突き進む。


「こちらです。こちらで皇帝陛下と皇妃様がお待ちです。公爵閣下はお分かりでしょうがご子息様。くれぐれも無礼のないようよろしくお願いします」


「はい、存じ上げております」


その黒と金であしらわれた、巨大な扉が開かれいざ謁見となった。







僕と父さんは跪き、腰に下げる剣を前に置いた。

前には皇帝と皇妃、皇女が2人座っている


「久しいな、オルネ。去年の会議以来だな」

「はっ、お久しぶりにございます。」


「ところで今日呼んだのは、お主の息子のことだ。モロハと言ったか、本当に女ではないのだな?」


「はっ、皇帝陛下については初めてお顔を拝見いたします。はい、私は歴とした男子でございます」


「ふむ、声と様子だけでは女に見えるな、確かにユリアナが言うだけあるな、では本題に戻そう。君はユリアナのことをどう思う。」


「失礼ながら発言いたします。私はユリアナ姫は好奇心旺盛で人当たりの良い方だと思います。」


「ふむふむ、そうかそうか。ユリアナ挨拶しなさい」


そう皇帝が言うとユリアナ姫は朝から立ち上がり僕の前にきた。


「おはよう、久しぶりだねモロハ」


「あ、おはようございます…ユリアナ…

「違うよ?忘れたの?」


ちょっと!皇帝陛下もいるのに流石にそれは!?

うっ…そんな顔されたらやらなきゃいけないじゃない…


「お、おはよう、ユリ…久しぶり」

「うん、久しぶり」





その会話の後…僕だけ応接室に呼び出された。父さんには泣きながら、いらんことをするなよ?と言われたが…






ということで応接室にいるのは、僕と皇帝、ユリ。何故かお姉さんもいた。



「じゃあ、話をしよう。そこまでかしこまらなくてもいいからな、」


「は、はい」


「君はユリアナと友達ということだが…間違いはないか?」

「はい、おっしゃる通りです」


「さっき、裏で話があったのだが…ユリアナと友達関係をつづけるのに1つ条件がある」


「条件ですか?」


「あぁ,君が王家に入ることだ」

「ん?それはどういう…」


「ん?君が婿入りするということだ、さっきオルネスタに聞いたが君のステータスはSS級のスキルが二つもあるそうじゃないか、そんな優秀な人材を野放しにはできないからね」


「…いや,理解できないんですけど…僕がユリアナと結婚ということですか?」


「いや,婚姻を結んでもらうのはユリアナではなくエリシアの方だよ。」


お姉さんの方かよ。というかそんな政略結婚みたいなこといやなんじゃないのかな?


「モロハさんこれからよろしくお願いします」


「はぁ、いや、じゃなくてエリシア様はいいんですか?」

「はい、私はモロハ様がいいんです///」


エリシア様は顔を赤くして、さらにその赤い瞳は濃くなっていた。

あら,耳がピクピクしてはる。

よっぽど本気なのか?でもなぁ…


「皇帝陛下、僕は公爵家の跡取りでもあります。僕が婿入りすれば妹が継がなければいけないです。しかも僕にはすでに婚約者がいますし…」


「モロハさん、婚約者がいらしたんですか!?そ、そんなぁ…」


「んー、公爵家は妹に任せれば良い。婚約者はそうだなエリシアと同じ正室にすればいいのでは?」


「いや、しかし…」



「一回考えさせてください…」


ということでこの案件は一回持ち帰ることにした。






長ったらしくなってしまいました…

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