第4話 新しい命の価値 ②

婚約から3年後…


僕は8歳になった。この3年間はリリーネと一緒にこの世界についての勉強と魔法の勉強をしてきた。10歳から魔学園へ入学することになっているので予習だ。

魔族は光魔法(治癒)が使えない代わりにスキルとして[治癒魔法]がある。


人間との違いを感じさせられる3年間だった。

もちろんこの3年間の中でリリーネとの関係に進展はないよ?多少あるとしたら手を握った程度だし…童○の僕にはちょっと…いや、だいぶ荷が重い。


リリーネとのことも大変だが…もっと大変なのは妹のアリアだ。

部屋は別々なのに朝起きたら僕の横で添い寝してるし、お風呂にも入ってこようとする。

極度の甘えん坊…いや、これはブラコンになるだろう。うんそうだろ。



話は変わって今日はリリーネとのデートだ。

僕たちが暮らしているのは、魔大陸にある6つの国の最大国【ユニエタール魔皇国】。その皇都だ。


ここには魔人の他にサキュバスやインキュバス、半霊半魔の魔族たちいわゆる混血の人たちも暮らしている。別に混血と言って卑下されることはなくみんな仲良く暮らしている。



「それで、リリーネはどこ行きたい?」

『私はモロハが行きたいところでいいよ?』


え〜…それが難しいんだけど…

そうか…デートで行きそうなところ…


「劇でも見に行く?」

『いいね!よし行こう!私は恋愛ものが見たいなー』

「確か今日は二つ公演あったはずだからどっちか恋愛モノだったらいいね」

『そうだね!』


僕は8歳になって身長が170センチを超えたし、リリーネも160くらいになった。

魔族の体の成長は10歳までには決まるらしいのでもうそろそろ止まる頃合いだね。

僕を引っ張ってせかせか急ぐリリーネはシュッとして出るとこは出て引っ込むところは引っ込んでいるスタイルだ。日本だったらモデルさんとか女優さんしたら格別なんだろうな…あまりテレビとか雑誌とか見れなかったからそういうのには疎いんだけどね…

あ,ちなみに僕の好きなリリーネのポイントはうなじから背中にかけてのラインです!


まぁ、リリーネは美を司る女神様だから…当たり前か、


高身長で美少女とか…完璧じゃん…


というかさっきから僕結構見られてる気がするんだけど…特に女性陣の目が多い気がする…え,もしかしてリリーネとこんな男釣り合わないのにとか…思ってるのかな?……

はぁ…


『ん?モロハどうしたの?元気ないけど…』

「…なんでもないよ、」

『なんでもないことないよ、隠してるのはバレバレだからね。』


「そ、そっか…いや,なんか周りの目が気になっちゃって、僕はリリーネに釣り合ってないのかなぁなんて…」


『なんでそんなこと思うの?釣り合う釣り合わないの問題じゃないでしょ?だって私が好きな人なんだから他の人の意見なんて必要ないじゃん。ね?だから大丈夫』


そっか、そうだよね、

昔はこんなに人に好きになってもらうことがなかった…というか経験したことなかったから先入観で物事を捉えてたのかもなぁ…


「ゴメン、リリーネ…」

『うん!さ、そんことより劇だよ劇!!早く連れて行ってよ!』

「わ、わかったから分かったから!はい!一旦落ち着いて…」




モロハは気付いてなかった。

さっきの視線が好意の目線だったことを…

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