第一章 始まりの詩

第1話 君の望み… ①



 終わった…僕の人生は終わった…




 終わっちゃったよ…




 最後が悲しすぎる…


 高校卒業して大学行って…仕事について結婚して子供作って年取って、幸せな家庭で朽ちて行きたかった。

 僕の人生、なんだったんだろうな…

 剣、弓、柔道、何のために武道なんか…

 はぁ、青春したかった…彼女もできなかったし…そっか…もう聖奈とバカすることもできないのか…





 ほんとしょうもない人生だった。











『そうだったんだね…辛かった?』




 辛かったよ…当たり前じゃん……

 こんな18年なんて価値なんてないよ…


『うんうん…そっか…でも君はそのしょうもない世界で友達もできたんでしょ?価値がないことはないんじゃない?』


 まぁ,それはあるかもだけど…

 自分には価値はないんだよ。


『そっか……君の近くにいた聖奈ちゃんは君との時間をとても楽しそうにしていましたよ?価値がありすぎるくらいに』



 聖奈が…ですか…





 ん?というか誰と喋ってるんだ?


『今頃ですか、貴方は可愛いですね♪』

「あ、ありがとうございます…」



『私は言う所の神様です!私は,女神オルトリオーネ。美と叡智を司る神様です。あ,あと純潔の女神でもあります。』


「叡智ってことは、賢い方なんですね」


『そういうことです…貴方は…やっぱり武の色が強いですね』


「そうですね…」


『それにしては可愛らしいお顔ですね』

「自分は正直、嫌なんですけどね、褒められるのは嬉しいです。というかオルトリオーネさんの顔は僕は見えないんですか?」


『あ、そうでしたね,あと私のことはリリーネでいいですよ』


 その途端僕の目の前がカッとさらに白く輝きだし、治ったと目を開いてみればそこには、



 僕と身長が変わらないくらいの、白髪の美少女が僕に向かって笑い掛けていた。




















『……というわけです。分かりましたか諸刃さん。』

「まぁ、なんとか…で僕は異世界転生させられるんですよね?」


『その通りです!まぁ、フリーライフでゆったりいくのもいいですし、人助けのために勇者になるのもいいですよ?』


「そうですね…何もしないのは憧れますけど……、前は鍛えて鍛えて限界までしか行けなかったんです。オヤジのいう限界の向こう側が見れなかったんです。だから向こうの世界に行って…限界のない体が欲しいなぁーなんて…」


『限界…ですか……なるほどですね、じゃあそうしますか?』


「え?あるんですかそんな体にすること!?」


 そんな都合のいい体にできるんだ!

 いや,なんかワクワクしてきたな…


『うん!でもね……ちょっとめんどくさいよ?』 


「めんどくさいとは?」


『それはね…



 人間ではないからだよ』


「人間ではない?さっき言ってた魔物ですか?」

『いや、ちゃんと人型だから,でも《人間族》ではないね,言ってしまえば《魔人族》だね』


 まじんぞく?なんじゃそりゃ…

 でも限界がないのは惹かれる…まぁいいか,


「じゃあ、その魔人族でお願いします」

『え?いいの?本当に?』


 え?そんなに確認いる?

 なんかこっちが心配になってくるんだけど…


「そ、それでいいです」

『わかったよ、ちょっと心配だけどね……まぁ、///』


「あ、はい……///」




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