予告 虚~ホロウ~Project4

「…。」

エクリールは夜道を歩いていた。

「もし仮に時が今来るのなら…私はどうするべきだ。」

「あの時と今は違う。当人の私も心が揺らぐ。本来この時は私が行うべきだ。だが、私は今の状況に甘えてしまっているのは事実。」

(あの別世界のやつが言っていたことも事実。時は必ず来る。だが、本来は私が起こすが、今の私には起こせない。)

「本当にここは特異点かもな。」



エクスバースは独り写真を見ていた。それは有間と未離が写った写真。

「………はぁ、私がもしエクステラ以上のイレギュラーじゃなかったとしたら今はどうなっていたのか。」

エクスバースは兄の姿を見ても何も感じない。

「もとより私は先天性のイレギュラーなんだ。後天性のエクスバースとは違う。あの人を愛したことは一度もない。」

「さて、終わりは始まる。イレギュラーとはいえ、愛を知らない私にこれを変える術はない。大人しくバックアップして奴に取り込まれるしかない。だが、私を取り込んだとはいえ成功は絶対にない。エクステラと私がイレギュラーだからな。」

そう言ってほほ笑むとエクスバースはさらに作業を進める。

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