エピローグ

エクスバースはあれからずっと研究室にこもっている。

「私のあるべき姿か…。エクステラのように救われれば、私はもっと楽だったのに…。」

それは有間から告げられた真実だった。

エクルが例の時を始めようとしている。

「ここでいいか?」

「あ、ああ。ありがとう。」

カルマとミリアは研究室の奥に住むこととなり、私の研究を手伝ってくれるようだ。

「時は成功するのか?」

「僕の見てきた時はどれも絶望的だったね。もうすでに消えていたり消えかかっていたりとどれも救いはなかった。」

「そうか。私もイレギュラーの一つだ。せめても少しくらいは足搔けるかな。」

「イレギュラーだと?」

「ああ、そうだ。まぁ、私の正体はまだ誰にも明かしていないけどね。」

そして、とある情報を集めた。画面に映ったのは一冊の本だった。

「この本をエクルの図書室から持って有間に届けてくれるか?私じゃ、今あいつに会う訳にもいかない。」

「分かった。これも恩返しの一つだ。僕らは見せてもらうよ。イレギュラーは運命をどうするのかをね。」


図書室に来た2人はエクルに出会ってしまった。

「ふふっ、分かってるよ。私を止めるためにアレが欲しいんでしょ。」

「分かっていて、なぜ時を早める?いつかは訪れるものだったはずだ。」

「そっか、2人はその先を知っているのね。」

「アレを僕たちは止めない。だが、故意的に起こすのなら話は別だ。それは逸脱している。」

「この世界がイレギュラーで溢れているからだよ。私たち4人が生まれたのもただの気まぐれ。偶然と偶然がかみ合い、先の分からない未来だからこそ可能性があるの。この哀しみの運命を書き換える出来事が起こる。私は哀しみ嘆くことしかできない。自己犠牲だって美しいものでしょ。悲劇のヒロインは自己犠牲でしか世界を救えない。それが物語の定めなの。」

「そうか。てっきり吹っ切れたものだと思っていたよ。」

「本当にそうかな?私は未来を知らない。なら、世界が消えることだってある。」

「足搔いているだけましさ。あんな運命に足搔ける術なんて僕たちは知らなかったからな。」


2人は本を持ち出し、有間の元へ行った。

「やっと来たか。」

「僕たちが思っているよりも壮大なことをするんだな。」

「俺は躊躇していた。この世界が消える可能性を。だが、あの子はそれを見て見ぬふりをしている。」

「そうか。後は本体に足搔いておわりってことか。」

「さて、どうだろうか。今の盤面は不確定要素が多すぎる。今の俺でも分からない程な。」




エクルは1人である準備をした。

「これが…。」

彼女は透明な何かを見てほほ笑んだ。

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