有間編 最終話 イレギュラー

「う…ん。あれ、ここは…」

「ミリア姉さん!」

カルマがミリアという女性に抱きついた。

「どうしたの?昔みたいに甘えちゃって、」

ミリアの表情は先ほどまでと違い、穏やかだった。

「お兄ちゃん、やったね。」

「未離、先に二人を連れて帰っていてくれ。一応クリームにも連絡してある。」

「分かったよ。」

未離は二人を連れてどこかへ消えた。

「エクリール、知っていることを話してもらおうか。まぁ俺の推測通りのことしか言えないだろうが…エクルに力を与えたのは間違いだった。そう言いたいだろう?」

「さすが、兄さん。だけど、これを遂行するのは私じゃない故に私からは兄さん以上の情報は出ない。だが、時を待つのは変わらない。でも、エクルの様子はおかしかった。あれが待っているのは時じゃない。何か別の意思を感じる。」

「そうか、なら想定通りだ。本体だな。」

「本体?」

「まぁ、そろそろ来る。」

その時、エクステラとミクル、エクスバースと出会った。

「あれ?お兄ちゃんとエクリールちゃん、こんなところで何しているの?」

「ああ、すまないがエクスバースを借りていいか?」

振り回されてぼろぼろのエクスバースを見た。

「うん、お兄ちゃんが言うならいいよ。」

エクスバースを置いてエクステラはミクルと何処かへ行った。

「あいつ、私をここまで振り回して…」

「ご主人様、これでいいの?」

ピンク髪でメイド服の女の子がエクスバースの椅子を持ってきた。

「ありがとう。今手が空いている人が少なくてな、クレープにこんなことさせて…」

「いいんですよ。私もお料理以外でご主人様のお役になれるのなら。大体がクリームお姉ちゃんの仕事だから。」

「ああ、助かったよ。」

女の子はどこかへ消えた。

「有間にい、ありがと。」

「まぁな、それでお前にも今の状況を話しておきたい。」

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