末離編 第6話 信じる者

「あの…司教様、今どうなっておられますか?」

「ああ…、すまない。つい懐かしさに浸ってしまったな。」

アインは末離と悪魔信者たちを見て言った。

「悪魔信者たちよ。確かに神は無関心だ。人を平等に扱うがゆえに人の価値の違いを見ない。だが、悪魔は非情だ。人の価値を見るがゆえに人を貶める。だが、末離様は違う。この方は神のような慈悲を持ち、悪魔のように人を見る。まさに神や悪魔よりも素晴らしいお方だ。お前たちが神を認めないのを赦そう。だが、悪魔に心を売ってはいけない。なれば、末離様を崇めよ。このお方は貴方達の望む存在だ。」

「アイン君…」

「貴方のお姉様が言っていましたよ。貴方は愛されるよりも愛する方に向いていると。この方々も貴方の愛で救ってあげてください。人は神の平等に納得しません。だが、悪魔に心を売っては人ではありません。貴方なら救えるはずです。人ではなくなる気持ちも貴方ならわかりますよね。」

「アイン君、立派になったんだね。ふふっ、ミナお兄ちゃんみたい。」

「そうですかね…。私はまだまだですよ。貴方方の御威光を借りているにすぎませんから。」

アインの信者達も悪魔信者達も二人が手を取り合いほほ笑んでいる姿を崇めていた。

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