第11話乾いた口付け、崩れる

キスをした。

珍しくカサカサに乾いた唇同士で。

たまらなくなって校舎の隅で。

色々、あったが故に。

しばらくの間、お互い夢中で貪り合った。

長く長く、離れがたく、離れる意味が理解出来ず。

それでも、仕方がなく、別れた。

どちらかの皮が剥げて、どちらかの唇にくっついて離れる。

自分のではない皮を、どちらともなく舌で舐めて口の中へ。


「…ごめん、今リップ塗るから」


倉敷がポケットをまさぐる。

見当たらず別ポケットを探す。


「…次があると思ってんのか」

「え、これで終わり…?」


あからさまにしゅんとする倉敷に、幸成がわざとを歯をぶつけキスをした。

そうして微笑んだ。


「気にすんな、ってことだよ」


続き、しねぇの?とでも言いたげに唇を薄く開け誘い込む。


「ふぁ…幸成くん…エロイ…」

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