第7話めでたしめでたしの続き
好き同士になったものの、倉敷は相変わらずだった。
ただ登校下校休み授業中のストーキングが目に見えて増えた。
それにも慣れた。
それ以外はほとんど同じだった。
そもそも好き前提で倉敷は幸成に接していたのだ。
それに幸成が気付かないふりをしていただけなのだ。
それはなんていうか、かなり倉敷を飼い殺していたような。
ちょっと反省した幸成は、倉敷を甘やかすことにした。
調度春休みも始まることだし、と。
「俺となにかしたいか?」
「えっとね君を制服のまま拘束してから」
「…それ聞いたな」
「言ったよ」
「本当にしたいんだな?俺と」
睨め付けあげ脅すに似たにじりより。
「したい、ずっとしたかった」
倉敷は、月と太陽が結婚したら生まれる生き物のようだった。
それこそ異常行動を掻き消すほど美しい。
それが欲望剥き出しの表情を浮かべている。
幸成は睨むことも詰め寄ることも止め、嘆息をひとつ。
「しゃあねぇ…嫌じゃねぇから付き合ってやるよ」
一瞬固まる倉敷が、豹のように襲いかかってきた。
こういう面も持ち合わせていたのか。
そうか同性だった。
分かる、我慢させていたと。
「とりあえず…はじめてなんで、おてやわらかに、な」
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