コマーシャル


 勇にぃがまたノートパソコンを見ていた。


「未夜、ついに今日――二月十七日からKSPが始まるぞ」


「KSP?」


「KSPとはカクヨムサポーターズパスポートの略で、カクヨムの作家さんを応援できる素敵プランなのだ」


「またカクヨムかい。だから、モニターの字は目が滑るって言ったじゃん」


「このKSPに登録すると広告が非表示になる上に作家にギフトを贈ることができるようになるのだ。そして作家サイドは受け取ったギフトをリワードとして換金できるわけだな」


「ああ、要は投げ銭ってことね」


「こら、そんな世俗的な言い方をするんじゃない。いいか、ギフトとはいつも楽しませてくれる作家さんを応援したいというあたたかい気持ちの結晶なのだ」


「しかも作家のサポーターになるとサポーター限定の近況ノートを読むことができるぞ」


 横からにゅっと眞昼が現れた。


「眞昼? あれ、なんか前にもこんなことがあったような……」


「館西夕木先生のサポーターになれば、例えば『10年ぶりに再会したクソガキ』の裏設定や、登場人物紹介の時よりもさらに詳しく書かれたキャラクターのプロファイルなど、作品をより楽しめるようなノートが順次公開されるぞ」


「ちょっと待って、プロファイル?」


「例えば登場人物紹介では伏字だった未夜の体重など――」


「きゃあああああああああ、はぁ!? ちょっと、なに言ってんの!」


「さぁ、未夜、お前もKSPを始めよう!」


「そもそも私、カクヨムに登録すらしてないんだけど」


「始めよう」


「話を聞きなさい!」






























「なんだ、夢か」


 もう、また変な夢を見ちゃったよ。


 相変わらず夢の中の勇にぃはふさふさだし、眞昼はちっぱいだった。


 っていうか、私の体重なんて絶対に教えないんだから。



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