第4話:道具
「フレンチプレスだったっけ?」
スマホを取り出し調べてみる。すると、意外なことにフレンチプレスは日本では紅茶を淹れるときに使うことが多いらしい。
「コーヒーって淹れ方もいろいろあるし、オイルがどうこうとか結構奥が深いんだ」
一人でつぶやきながらスマホの画面をスクロールする緋の目に見覚えのある器具が写った画像が映った。
「これ、見たことある気がする」
その画像に映っていたのは透明で横から見ると台形をしていて、
「
緋は自分の部屋のある二階から階段をおりキッチンへ向かう。
オーダーメイドで作られ間取りにあった木製の食器棚を眺める。最上段のコーヒーカップとマグカップの中にさっき見たものと同じようなドリッパーがあった。しかし、取り出してみると同じものなのか分からなくなった。形は同じだが全体的に白く曇ったような感じで、底に開いた3つの小さな穴はコーヒー渋だろうか茶色くなっている。緋は一瞬、同じものなのか分からなかった。
緋は見つけたドリッパーを漂白剤を使って洗ってみる。白く曇ったような部分は変わらなかったが、コーヒー渋だと思われる茶色はほとんど無くなった。
「やっぱり、これだ」
緋はスマホの写真ともう一度見比べ同じものだと確信した。
「ちゃんとした道具があるなら一度コーヒー淹れてみようかな」
そうつぶやくと緋はほかの道具やコーヒー豆がないか探し始めた。
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