第4話

きっと、私はどうかしていたのだと思う。

そんなくだらない戯言に、耳を傾けてしまったのだから。


でも、それは仕方ないことだと今でも、いや、今だからこそ思う。

私が想像していた最悪の結末。

それはついに現実になってしまったのだから。


『近未来創薬研究所』に配属になった私は、その薬の開発に参加するようになる。

国からの莫大な支援金と、全世界から集まる優秀な人材。

この上ない環境の中で、私は研究所での研究に没頭した。

しかし、それは勿論…自分のため。


そして、ついに薬は完成した。

私はある日、その薬を盗み出すとある場所へと向かった。


愛する…謙也のもとに。

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