第33話 ギルド改革の幕開けだよ!①
冒険者ギルドについた。
ギルドの中に入ると受付の女性が私達に近づいてきた。
「メリィさん。お待ちしておりました。今回はご迷惑おかけして申し訳ありません。どうぞこちらへ」
疲れきった顔で申し訳なさそうに頭を下げる受付の女性。
受付の女性の目にクマがいる。動物のじゃないよ?
私たちはギルドマスターの部屋に案内された。
二人で部屋の中に入ると、椅子に座ったギルドマスターが険しい表情でこちらを睨みつけてきた。
少し離れたソファーには70歳ぐらいのオールバックをした白髪のお爺さんが座っている。
このお爺さんがギルドの統括の人なのかな? コーヒーがすごく似合いそう。
「よくきたな。この泥棒猫。うちの冒険者が倒したガールダを勝手に持っていきやがって!」
「今日はそのガルーダのことできたニャ! あらかじめ来る前にそう伝えといたはずだけどニャ」
「それで何の用だ?ガルーダの素材の売り上げを持ってくるにしては早すぎるよな?」
ギルドマスターはニヤニヤしながら馬鹿にしたように肩をすぼめた。
「あれはうちが頼まれたものだから渡せないニャ!」
そう言って、ニコニコした笑顔で胸を張るメリィちゃん。
「なんだと?」
「聞こえなかったのかニャ? もう少し分かりやすくいうニャ。あのガルーダはマリーメリィ商会がガルーダを討伐した冒険者から直接依頼されたものだから渡すつもりはないニャ」
ガタッ!!
ギルドマスターは顔を真っ青にして椅子から凄い勢いで立ち上がった。
「どういことかな? 私に報告された内容と違うようだが?」
ソファーに座っていた統括のお爺さんが冷ややかな視線でギルドマスターを見つめる。
「そ、そんな嘘をついてガルーダを横取りするつもりか!! どこまで意地汚いんだ!」
「ん~。じゃあ草原に逃げてた冒険者達がどうやってガルーダを倒すのかニャ? 倒した冒険者はどこにいるニャ?」
「それは倒した冒険者の強い希望で教えることはできない!残念なことにな。急ぎの要件があって街をもうでてしまった」
ギルドマスターは椅子に座りなおして残念そうな表情をしながら腕を組んだ。
ホントこのDQNオジは私が1番嫌いなタイプだ。まあ公表してほしくないってところだけは間違ってないんだけどね!
私は一歩前にでた。
「私はそんなことギルドに頼んでないけど?」
「あ?」
「街にもまだいるしね」
「急になにを言ってるんだ!!」
「ニャハハ! 馬鹿なのかニャ? このチカがガルーダを倒したってことニャ!」
メリィちゃんは勝ち誇るように、ニヤリと邪悪な笑みを浮かべた。
こわっ! その笑顔すごく怖いよメリィちゃん!!
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