第17話 ネコパーティで狩りにいくよ!

「あっ、マリーちゃん。倒した魔物が死んでいるかどうか判別する方法ってないかな?」


「あるニャ! プロパティの魔法を使えば魔物の名前と状態がわかるにゃ。青のスクロールだから誰でも覚えられるニャ。必要ならあげるニャ!」


「いいのー?」


「もちろんニャ! 迷惑をかけたお詫びに受け取ってほしいニャ! ちょっと待ってニャ!」


 そう言うと、メリィちゃんはスクロールが並んでいる棚まで走っていった。


「チカ。私からもこれ」


「ん?」


 差し出されたのはマリーちゃんが両手に抱えていた大きな紙袋。


「いいのー?」


「うん。大変だから」


「大変ってなんのこと?」


「うん......。これ」


 マリーちゃんは紙袋をあけて黒色の猫耳パーカーを取りだした。


 あっ。紙袋の中身って猫耳パーカーなのね。......いったい何着はいってるんだろ。


「こんなにいっぱいありがと」


「うん。チカは明日も魔物を狩りにいくの?」


「そのつもりだよ」


「私も一緒にいっていい? チカが心配」


「パーティの経験ないけど、それでもマリーちゃんがよければ一緒にいこー?」


「うん。明日の朝宿屋に迎えにいく」


 明日は初めてのパーティー狩りになりそうだ。すごく楽しみ♪


「チカおまたせニャ! 査定も終わってたからついでにもってきたニャ!」


 メリィちゃんが革袋とスクロールを手に持って走って戻ってきた。

 

 そんな急がなくてもゆっくりでいいのに。転んじゃうよ?


 メリィちゃんから青いスクロールとお金が入った革袋を受け取った。


 お金をバックにしまい、スクロールを開くと、前回のように問題なく魔法を覚えることができた。

 

 これでだいぶ楽になるなぁ。複数の敵がでてきたら様子見なんてしてる暇ないもんね!



 メリィちゃん達にお礼を言ってマリーメリィ商会をでて宿屋に戻ってきた私は、夕食とお風呂を済ませ、少し早いけど明日に備えて寝ることにした。


 もちろんネコ型の盾は買ったよ?



◆◇◆◇


 翌朝。早めに目が覚めたので着替えて食堂に向かった。


 朝食を食べ終わるとちょうどマリーちゃんが迎えにきてくれた。


「おはよう」


「ん......。おはよ。早く来すぎた?」


 マリーちゃんはテーブルに置いたままになっている食器をみて、首をかしげた。


「ちょうど食べ終わったところだから大丈夫だよ!」


「良かった。すぐいく?」


「そうだね。いこっか!」


 わたしは椅子から立ち上がると、食べ終わった食器をカウンターに座るマイちゃんのところまで運んだ。


「二人ともどこいくのー? マイも一緒に行きたい!」


「ん......。魔物を狩りに森にいってくる。マイちゃんには少し早い。ごめんね」


「うー......」


 マイちゃんは口を尖らせてうつむく。


 マイちゃんの様子をみて、マリーちゃんは少し困った顔をしたあと、助けを求めるような視線を私の方へ送ってきた。


 うん。こんなんに可愛いとほっとけないよね。さてどうしたものか......。


「じゃあ今度みんなでどこかいかない?」


「本当? いくーっ!!」


「ん......。約束」


「わーい♪ マリーちゃんとチカちゃんとお出かけ楽しみだなあー♪」


 マイちゃんはニコニコしながら目を輝かせて私達を見つめた。私はマイちゃんに笑顔を返した。


「じゃあ私達いってくるねー!」


「うん! 二人とも気をつけてね!」



 マイちゃんは手を振って笑顔で見送ってくれた。

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