第12話 冒険者ギルドにきたよ!

 マリーメリィ商会をでて歩いて10分ぐらいでギルドに着いた。

 

 ジョンさんに教えてもらった通りだ。中に入ってみると人はそれほど多くはなかった。お昼頃だからかな?


 カウンターがいくつか並んでいてそれぞれ業務ごとに分かれている。

 

 少しカウンターから離れたところにテーブルと椅子がいくつかあって冒険者の格好をした人達が利用している。

 

 壁には紙が貼られていた。あれがメリィちゃんがいってた依頼なのかな?


 いつまで見てても仕方ないので受付のカウンターに向かった。


 受付にいくとスーツのような服装をした15歳ぐらいの女性が座っていた。


「ギルドに登録をしたいんだけどここで大丈夫?」

「はい! こちらで加入できます。いま魔導水晶で犯罪歴を確認しますね」

「うん。お願い」

「問題ありませんでした。ではお名前とご年齢を教えてもらえますか?」

「名前はチカ。年齢は22歳だよ」

「ええっ?」

「なに?」

「あ、いえ失礼しました。てっきり同じぐらいかと思っていました」


 元の世界でもよく童顔で小柄だったから高校生に間違われた。こっちの世界ではもっとひどい。でもたしかにこっちの人は平均的にすこし背が大きいかもしれない。私と同じぐらいなのはマリーちゃんぐらいかな?


「ではこれがギルドカードになります」

「これはなにに使うの?」

「今からご説明しますね」


 ギルドカード受け取る

 受付の女性はギルドについて説明を続ける。


 FからはじまってSSまでのランク制。報酬金額もランクが上がると高くなっていく。依頼達成や魔物討伐でギルドカードを提示して功績を積んでいくとランクが上がっていく。ランクによってはギルドや国から便宜を図ってもらえることもあるみたい。


 ゲームと似たようなシステムだ。なんだか学生の頃にもどったみたいでわくわくしてきた!



「おい! メアリー! なんだそのネコは。ギルドの加入希望者か?」

「は、はい! そうです! マスター!」


 声がしたほうを見てると、180cmぐらいで筋肉質な50歳ぐらいの偉そうな男が不機嫌そうに受付の女性に近付いてきた。すごく感じが悪い。


「メアリー! うちギルドにネコはいらねえんだよ」

「で、ですがマスター。ギルドへの加入は犯罪歴がなければどなたでも......」

「俺がいらないって言ったらいらないんだよ! こんなネコみたいな格好したチビがなんの役に立つんだ? 泣いてお願いするなら考えてやってもいいがな!」


 そう言うと私を睨みつけて馬鹿にしたようにニヤニヤしている。

 

 なにこいつ。それもいまチビって言ったよね?


「私の容姿がギルドになんの関係があるの?」

「生意気なやつだな。目障りだからさっさと消えろ」


 びっくりするぐらい会話が成立しない。DQNオジだ。いやDQNマスター?


「こんなところこっちから願い下げだよ。時間を無駄にしちゃった」

「なんだと!何様のつもりだお前!」

「おひとり様?」


 ギルドマスターは私を睨みつけ顔を真っ赤にしてピクピク震えている。


「おまえっ!! ちょっとこっちに......」

「私はさっさとでていくよ。自分でそう言ったんでしょ?」

「なっ!?」


 振り返りギルドの出口に向かう。

 テーブルのほうから、ぷっ!と吹き出したような声が聞こえてきた。

 

 気になってテーブルのほうを見てみると、冒険者の人達が顔を隠して笑いを堪えていた。


「おい!! 俺を無視するとは......」


 後ろから怒鳴り声が聞こえてくる。

 

 私は無視してギルドをでた。

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