不能共

作者 草食った

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★★★ Excellent!!!

この小説を読んでの感想は様々にあるだろうが、一言で表すのであればこれに集約される。

「加奈子!!!!」

少なくとも一回は、恐らくはそれ以上の回数、読者はこれを叫ぶことになる筈だ。
大まかなニュアンスとしては「オーマイゴッド!」「ジーザス!」「ホーリーシット!」である。

この話が始まるきっかけの場面で「加奈子!!」となり、
朝陽の元へ清瀬が来て……来るだけで終わらなかった時に「加奈子!!」と天を仰ぐ。
タイトルについてうっすら察しがつき始めた時点で「加奈子!?!?」と頭を抱える。
雨の夜では「加奈子……」と呻きながら手を組み祈るポーズになるだろう。
なりました。
その後すぐに「加奈子!!」とガッツポーズして身を乗り出したりもした。

前日譚や後日談に至っては
「なんでや加奈子関係ないやろ!」
となったりもするが、それでも口をついて出てくるのは
「イェーイ!!加奈子見てる!?!?」である。

感謝というには複雑だが、憎むというには、私はあまりにもこの物語を楽しんで愛してしまっている。
そういう気持ちを込めて、読破した私は「加奈子!」と呻くのである。

是非とも多くの人に、男同士の関係性に打ちのめされながら死んだ女の名前を叫ぶ体験をしていただきたい。

★★★ Excellent!!!

“人は生まれつき悪”であるような登場人物達だな、と思いながら読んでいました。
 だからこそ、この2人には、エンディングを迎えるまでにこれほどの時間がかかり、ここまでしなくてはいけなかったのだろうなと思います。

以後展開にネタバレがあるかもしれないので注意↓

 いつになったら2人に救いが来るのだろう、もうそろそろ、いやまだか、まだか…と読み進めていき、最後の最後、ある種のどん底まで堕ちた2人が己の性を認め、ハッピーエンドに導かれる様子が清々しく、簡単で安易な救いに辿りつかない、巧みで洗練されたようで激烈な物語の描き方が素晴らしかったです。
 救いを待って読んでいる時も“気味のよさ”を感じられ、また、それを楽しんでいる自分がいることにワクワクしました。

最後までとても面白かったです!