色と魔法と刀の世界圧倒
@Retsu_0306
第1話 才能開花
約45億年前、諸君は地球誕生と共に生まれたものをご存知だろうか。
一つ目は音。風になびく草や木の音などだ。
二つ目は原子。水、アンモニア、メタンなどの誕生。
三つ目は生命。そう。我々人間や微生物、動物や虫などが生命にあたる。
そして生命誕生から数万年後、魔法の誕生。
魔法は全ての理をひっくり返した。物理法則や原子学、心理学など全てをひっくり返した。
そして今日。4月25日、ある少年が魔法学園という魔法を学ぶ場所へと入学することとなった。
「ここが色魔法学園アリウス…」
「少年!そこで何をしている!」
少年。如月 海斗はアリウスの校門からでてきた謎の美人教師に怒鳴られた。
「は、はい!僕は今日から編入する如月 海斗です!」
「そうか、お前が…よし。ついてこい。教室と寮に案内してやる。」
そういうと、美人教師はアリウスへと向かった。
まずは寮を案内してもらった海斗は自分の荷物をしまって教室へと向かった。
「教室ってどこなんですか?」
「ここから数分だ。もう授業は始まっている。というかもうお昼だ。昼はまだなのか?」
「は、はい。」
「なら、1度場所を変えて校長と一緒に食べるといい。お前が来たことはまだ知らないからな。それにまだ科を聞いていないからな。」
そういうと、校長室へと案内された。
「おぉ~君が海斗くんか。初めまして。私はグラディウス・アルテールだ。」
外見は真面目な人だが、その人柄は明るく穏やかでよく笑う人だった。
「君の父親、如月 幻夜から聞いているよ。今日からA組に入学するだろう?」
如月 幻夜。彼は数十年前、世界戦争で人斬りの絵描きと呼ばれ、色魔法を主とし、如月流抜刀術を使用する大剣豪だった。
「はい。今日から1年A組に入学する事になりました。」
「まぁ受験無しの編入だから一応面接はしておこう。椅子に座りたまえ。」
そうして約30分後ご飯を食べながらいろいろ聞かれてやっと教室に案内されることになった。
廊下を歩いている途中に校長に何科に入るか聞かれて全然考えていなかったことに気がついた。
科は普通科、商業科、そして魔法学科、もうひとつは軍事学科がある。
「僕は魔法学科に入ろうと思います。父がそうだったように、僕も魔法を学んで世界や人の為になりたいですから。」
実際は違う。魔法を使って母が死んだ理由と幼なじみの春野陽菜や天宮英汰を探す為に学園に入学したのだ。
「そうか。それは良い事だな。魔法学科なら親父さんもきっと喜ぶだろうしな。魔法学科の教室はここだ。」
そう話していると歩いていた道を右に曲がった所に『魔法学科1ーA』と書かれた名札を発見した。
「少し待っていたまえ」
そう言われ、待っているとその教室から担任の先生らしき人が出てきた。話し終えたら担任の先生が挨拶と自己紹介をしてきた。
「私はメイディア・カルデーナ。今日から君の担任だ。よろしくね。さ、教室に入って自己紹介してね。」
そう言われ、教室に担任の先生と一緒に入り、自己紹介を始めた。(内容は名前と属性、使用武器)
「僕は如月 海斗です。属性は…わかりません。武器は刀です。よろしくお願いします。」
拍手を受け、席に座り朝の会らしきものが終わった。転校生というのもあり、クラスの人がめっちゃ来た。質問攻めをなんとか乗り越えて授業に参加した。5時間目は魔力制御の時間だった。その時間は魔法研究室(大)への移動教室だった。
「よし、君らはこれから自分の得意属性の制御をしてもらいます。まずは…レイシールド、前へ。」
前へ出てきたのは明らかに優秀者と思える人だった。見た目はやや赤みがかった黒髪でポニーテールの綺麗な顔たちをしている女性だった。
「エアル」
そう呟くと、彼女の手の前から風が出てきて前の藁人形を吹き飛ばした。
「ではこのようにみんなは魔法を藁人形にぶつけてできるだけ吹き飛ばすだけの威力に上げてみてくれ。如月くんは属性から測ってみよう。」
そう言われ、先生のもとへ行き、水晶玉に触れた。
「力を流す感じでやってみてくれ。そうすれば自然に魔力が開放される。」
言われるがままにやってみると、水晶玉が七色に光り始め、割れてしまった。
「なっ…君は全属性、そして未知魔法を開発する素質がある…これが軍に知れたら…」
水晶玉が割れた音が響き、クラスの人達が唖然とした表情でこちらを見ていた。
「き、如月くん。藁人形に好きな言葉で攻撃してみてくれ。」
「わ、分かりました。」
父親から貰った魔法本で刀を取り出し、居合の型をとった。
「如月流抜刀術 紅 火炎烈煌」
そういうと同時に刀を引き抜くと刀の周りを囲むように炎が出てきた。そして藁人形を切り落とすと同時に納刀すると、藁人形はチリひとつなく消滅した。
「「「「すげぇぇぇぇ!!」」」」
また質問攻めを受け、先生が生徒を鎮圧した。
「如月くん。君は全属性の持ち主にして、この世界にはない魔法を開発する程の魔力量と素質がある。これは本当に凄いことだ。軍に知れたら国家戦力が転覆する。」
そう言われ、唖然とした海斗だが、すぐに頭を回転させてこういった。
「このことはこのクラスだけの秘密にしましょう。あとこれは先生と僕の秘密ですが、僕は''色魔法''を使えます。それだけ言っておきます。」
そう言って属性の確認を始めた。
「如月流抜刀術 碧 深蒼海滅」
足を踏み込むと、目の前に水の衝撃波が出てきて藁人形を粉々にした。
(少し強いな…ひとつ落とすか…)
「如月流抜刀術 菜乃花 閃光黄色」
すると消滅することなく藁人形は吹き飛んだ。
それを見ていて不快に思ったのかヤンキーらしき人が海斗に向かってきた。
「おーおー凄いねぇ天才君は。」
すると耳元でこう囁いた。
「調子乗んなよ雑魚転校生が。あとで中庭にこい。タイマンだ」
「じゃあみんな!今日の授業はここまでだけど、今日は全校集会があるからまだ帰るなよ〜」
そういった後、授業がおわり、教室に戻って中庭に行くとヤンキーが立っていた。
「おせぇよ。武器だせ。勝負(タイマン)だ。」
「分かった。」
これは少し分からせないとめんどくさいことになると思い、刀をだして抜刀の構えをした。
「いくぞ!くらえ!フレイル・カルフレイル!!」
「如月流抜刀術 深縹 逆滝壺」
そういうと、ヤンキーが出した巨大魔法を水反撃魔法で消した。
「なっ…くっ…これでしめぇだ!しねぇぇぇぇ!」
「天宮流刀術 不刹」
ヤンキーが突っ込んできた懐に刀の鞘をおき、みぞおちで気絶させた。
「「「「「「「おぉ〜〜!!」」」」」」」
刀をしまったところで先生がやってきた。
「海斗くん。どっちからふっかけた?」
「この人です。タイマンしろだとかなんとか言ってましたね」
そういうと、先生は「あとで話そう」と言ってヤンキーを連れて飛んで言った。
「君凄いね。名前は?」
突然黒髪の和風な雰囲気をまとわせた美少女が話しかけてきた。
「如月 海斗。君は?」
「私は霜乃 葉月。よろしく」
「あの霜乃一刀流の!?」
霜乃一刀流とは、名家霜乃家独自の流派で、刀を片手で持ったり両手で持ったりと、型や技が多く、複雑な動きを簡単にこなして相手を倒していくという、戦場のダンサーとまで呼ばれている一刀流専門の名家である。
「う、うん。君こそ如月流抜刀術の使い手でしょ?光栄だなぁ会えるなんて思ってもいなかったよ。」
「こちらこそ!まさか霜乃一門の人に会えるなんてなぁ…君に会えて嬉しいよ。よろしくね。」
「っ…//…よ、よろしく…」
何故か顔を赤らめたのに疑問を浮かべるが、校内に響いた放送が全て吹き飛ばした。
『体育館に集合してください。全校集会が始まります。』
「じゃあまたね!霜乃さん!」
手を振って教室へ向かった。教室に入り、体育館シューズに履き替えて体育館に入った。椅子に座った。右横は工藤 天弥。教室に入っていろいろ教えてくれた金髪の優しい人。母が海外の人らしく、金髪になったらしい。
左は菊岡 蒼司。みんなの兄貴的存在。優しくて強い。困った時に相談すればほぼ何でもやってくれる。(お金の貸し借りはダメらしい。)
『それでは皆さん、こんにちは。私は生徒会長の天宮煉花です。』
(なっ…天宮煉花…たしか英汰の姉だったような…)
『今回は先月にお話したとおり、学園選抜試験のお知らせです。この学園を中心とした8つの学園や学校から選抜で選ばれた9人のチームが試合を行うというものです。』
(要するにあれか。学園同士の戦いか…)
『1位になれば魔法軍やより魔法のことを知れる大きな場所へも行ける権利が渡されます。
その選抜のメンバーは学園内の試合で決めさせてもらいます。入りたい方は担任にお渡し下さい。学選試験のメンバー認定試験は金土日曜日に行う予定です。以上です。』
「ねぇ海斗くん。まさか出るつもりじゃないよね」
「でるさ。母さんのことも知りたいしね」
工藤や菊岡には既に自分の魔法や家のことを伝えてある。
工藤には友達だし何かあった時のために知っておきたいと言われておしえた。
菊岡には''1人で抱え込むな。抱え込みすぎると、人間は簡単に壊れる''
そう言われておしえた。
「俺も出る。自分の力もかくにんしておかないとな。」
「じゃ、当たるかもな。1番上で待ってるぞ」
「そっちこそ負けんなよ海斗。」
拳をぶつけ合い、そこで丁度学年集会は終了した。教室に戻り、全員が席に着いた時に先生が話し出した。
「よしみんな。さっきの全校集会で生徒会長が言ってた学選試験に出たい人は私に紙を下さい。」
紙を出したのは海斗と菊岡、レイシールドだけだった。
「なぁ蒼司、なんで少ないんだ?」
「それは多分2年前の出来事が原因だろう。」
2年前に起きた出来事、それは国の主たる場所をほぼ全て壊滅状態へと追い込まれたからであった。かつてアリウスは2年前の学選試験で優勝し、数多の優秀者を軍や様々な国の機関へと配属したことから、その犯罪者集団、シリウスはアリウスまで標的にし、半分以上の学生や優秀な人を死に追いやった。
「今はそんなに簡単に侵入とかはされてはいないが、今年はどれもすごくてな…」
「え?すごいって…なにが?」
「この学園を中心とした東西南北には強豪校があってな。北は魔法学園マウスト。東は私立魔法学校クロン。南は国立魔法学園エレス。西は公立魔法学院アルテナ。俺も1度しか見た事ないが、今回はやばい。ま、楽しみにしとけ。」
おう。と返事をして、期待を胸にして寮にもどった。海斗の部屋は番号順で116、隣は工藤、左は菊岡だった。
夜ご飯の時間。女子寮と同じ時間にご飯だった。
「なぁ海斗、一緒に飯食お」
「おう。…あ!霜乃さん!」
手を振ると、頬を赤らめながらも手を振り返してくれた。
「海斗!お前まさかあの『冷たい花』と知り合いなのか…?」
「知り合いっていうか友達かな?てか『冷たい花』って何」
友達は唖然としてして、ため息をついて席に座って普通にご飯を食べ始めた。
「おいなんだよその感じ。なんかあんの?」
「俺らと同じ1年で決闘を何度も挑まれたが敗北なし。」
「なんかやばいの?」
「は?」(キレそう…)
まずは決闘のルールから説明する。
学園内の決闘は同学年に限られるが、この学園の1年生の人数は1400人。その中で決闘を挑まれることが''何度も''となると、軽く100人は超えるということになる。その人数で敗北なし…お察しのとおりです。
夜食後片付けしようとした時に霜乃が話しかけてきた。
「海斗くん…だっけ?」
「どうしたの?霜乃さん」
「その…私と決闘して欲しいの」
え?という声と共に沈黙が食堂を包み込んだ。
霜乃は決闘を受けることなあっても申し込むことはなかった。だが、今回は逆に霜乃から申し込んだことで食堂からいつもの騒がしい声が消滅したのだ。
「いいけど、明日の何時頃空いてる?合わせるよ」
「じゃあ明日の昼休みでいい?」
「いいよ。じゃまた明日ね」
そう交わしてvs霜乃戦へと備えるのであった。
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