第2話
夜になると
国から派遣されたという教祖が
教会に現れた
教祖ザバス
『 さぁ!神に祈りを。
あなた達を守り救ってくださるでしょう!』
村の民 全員が祈りを捧げ
ザバスを称えていた
まるで 操られているかのように、
この村は お世辞にも栄えているとは言えない
だが 村のみんなはどんな時も笑顔を絶やさなかった
次の日 私たちは宿屋の親子に
話を聞くと
この村では 最近 足抜けが多発し
行方不明者が後を絶たないという
冒険者さん!
この地を救いに来てくれたんでしょ?
『 俺見たんだ 夜な夜な あの教祖が小さい子を連れて墓地にいくのを 』
『 そういうことか..』
『 作戦決行は今日の夜
有益な情報をありがとう 』
『 任せたよ! 』
イザベラさんは少年に対してニコッと笑みを
見せた
無駄な心配をさせないために。
そして 今日の夜
私たちはザバスが教会にいる間に
墓地で待ち伏せをすることにした
神への信仰が終わり 少し経つと
情報通りザバスは村の子供を連れてきた。
その子供の目には生気が宿っていなかった
『 やっぱ悪人だったか.. 』
『 そうですね.. 』
『 なんだお前ら? 』
『 ただの冒険者です。 』
すると教祖ザバスは 少年の前で
タコのような無数の触覚を持つ魔獣に変化し
魂を吸い取った
『 しょうもねえ奴だ
神だとかなんとか言っといて.. 』
魔獣ザバスは 怒りを見せた
魔獣も 人間も『 同じだろ!』
間抜けな奴ほど騙される、
余裕が無い奴ほど付け入られる
これが この世の中のルールだろ
私は神だ!全て私の思い通り
『 上に立つものを崇めるのは当然のことだ!!』
じゃあ 神を崇めるのが人間なら
神を落とすのも人間だな 』
イザベラさんは少し笑みを見せた
その瞬間 まるで身体が凍てつくような冷たい風が吹いた
それと同時に 教祖ザバスは倒れていた
一瞬にしてザバスを射抜いた
冷静な拳でのたった一撃
出会った時も今回も
イザベラさんは 腰につけた剣を一切 抜くことはなかった
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