第4話 告白リベンジ

「ごめんなさい・・・」


放課後の2人しかいない教室。

あっさりとした断り方だった。

遊びに行ったり、結構仲のいい関係だと思っていた。

明日からどう話そう気が重い。

明日なんか来なければいいのに・・・


朝起きる、テレビをつける。

「おはようございます。7月13日月曜日。 時計は6時をまわりました」

あれ?昨日・・・?いや今日は7月13日?

時間が戻った?じゃあ告白は無かった事に?

願いが叶った事に驚いたが、告白が無かった事になってほっとした。


登校中歩きながら考える、けっして仲が悪いわけでは無い、告白の仕方が

いけなかったんだ、あと場所だ、教室はやめよう策を考えなきゃ。

午前中の授業そっちのけで告白の言葉や場所をどこにしたらいいか考えた。


「・・ごめんなさい・・・」


下駄箱の前での告白はまたも砕け散った。


そして、また明日が来ない事を願う・・・


「えー、おはようございます。7月13日月曜日・・・ 時計は6時をまわりました」


よし、時間が戻った。今度はどうやって告白しよう。


「・・・ごめんなさい」


「ごめんなさい・・」


「あの・・ごめんなさい」


もう何回目だろう・・・やっぱり友達以上の関係ではないのか・・


「ねぇ・・・」

断った後に話しかけられるのは初めてだ、進展があるのか?


「あのね、変な話をするかもしれないけど・・・」


「どうしたの?」


「私、同じ時間を繰り返しているの。場所は違うけどあなたから告白を受けるの」


「え・・・?」


まさか、まさか・・・


「あなたの事は嫌いじゃ無いけど、毎日毎日・・・私どうしたらいいの?早く明日になりたい・・・」


泣きだし去っていく彼女を見て青ざめる、もしかしてみんな時間を繰り返している事を覚えている?


自分だけが覚えていると思っていた繰り返された時間は、みんなが覚えていた。


お願いします。もう時が戻らないで下さい。悲しませる様な事はしたくないです・・・


朝起きる、恐る恐るテレビをつける。


「おはようございます!7月14日火曜日! 時計は6時をまわりました!」

嬉しそうな司会者この人も記憶があったのか・・・


登校中、街の人がとても明るい、きっと記憶があるけど非現実的な事でみんな口に出していないが喜びにあふれている。


「おはよう!」

昨日泣いていた彼女は明るい顔で話しかけてくる。

「おはよう・・・」

僕は罪悪感から、ためらいながら挨拶をする。


「あなたの熱意は伝わったわ。もっと自分を磨いていい男になってから出直してきなさい」

笑ながら去っていく彼女をみて僕は思う。


よし、彼女にふさわしい男になる為に、毎日努力して行こう。

「前を向いて進む」それが僕のいま出来る事だから。

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