第5話 ゲームの名前と、キャラクリと 後編

 ちょっと待って、超越種族って何ですかね!?


「あの、超越種族って何ですか?さっきの説明には出てこなかったきがするんですけど」

『超越種族とは、ランダム選択時に超低確率で選択される当たった者のみが知ることのできるシークレット種族となっています。超越種族も複数存在しますが一つの種族につき枠は一つしか存在しません。有体に言えば専用種族ということになります。こちらは自由選択はできずランダム選択のみ可能ですが、超越種族を選ぶかどうかはプレイヤーに委ねられます。必ずしも超越種族を選ばなければならないというわけではないのでご安心ください』


 うん、情報の嵐だねこれ。

 つまりはスマホゲーでいうところの限定最高レア確定の単発ガチャがひけますよってこと?

 自分の引きの強さに驚愕。

 明日、地球滅亡しない?大丈夫?


 まあそれはさておき、ここまで来たらその超越種族を選ぶしかなくない?

 絶対に配信的にオイシイだろうし。


「超越種族のランダム選択でお願いします!」

『承知いたしました。超越種族のランダム選択を開始します。お好きなタイミングでストップとおっしゃってください』


 また、どこからともなくドラムロールがなり始める。

 いつ止めても超越種族にはなれるとわかっているのに、どきどきしてくる。

 ええい、覚悟を決めて止めるんだ!


「ストップです!!」


 はたして結果は………。


『超越種族、吸血竜が選ばれました。おめでとうございます』

「ありがとうございます?」


 結果は、吸血竜という何ともよくわからない種族になった。

 うーん、解釈の幅が広くて想像できない…………。

 聞いた方が早いか。


「質問いいですか?」

『いかがいたしましたでしょうか?』

「吸血竜っていうのがなんかうまく想像できなくて、どんな種族なのか教えて欲しいなぁって」

『承知いたしました。吸血竜というのは、簡単に言えば吸血鬼のような特性を持つ竜種になります』

「……………吸血しないと生きていけないとか、日光を浴びると死ぬとかそういうの?」

『そのような解釈であっています。ですがそういった特性の強さは吸血鬼ほど強くはありませんが、逆に闇夜の中だと能力が向上するとか物理攻撃が効かないとかといった特性の強さも吸血鬼ほど強くはありません。これらに関してはゲーム開始後にメニューのステータス画面で確認できます』

「ここじゃ確認できないのかぁ」


 これは少し危険かもしれないなぁ、もしかしたらものすごく癖の強いステータスなのかもしれない。

 覚悟しておかなきゃだね。


『これは事前に超越種族の情報が外部に流れないようにする措置の一環ですので、どうかご容赦くださいませ。容姿ですが、スキャニングした現実の容姿からある程度は調整できますがいかがいたしますか?』

「ああ、いえ大丈夫なので気にしないでください。容姿のほうは変更なしかな」

『承知いたしました。寛大なお言葉ありがとうございます。それでは最後にプレイヤーネームの登録を行います。どのようにいたしますか?』


 プレイヤーネームかぁ………。

 今まで使ってきた名前は男っぽいのしかないから、新しく考えなきゃいけないなぁ。

 実況配信をすることも考えると、呼びやすいのがいいよね?


「うーんと、ログナでお願いします。カタカナで」

『カタカナで、ですね。登録が完了しました。これにて本サービス前におけるキャラクタークリエイトは終了です。お疲れさまでした』

「お疲れさまでした」

『最後に一点だけ、超越種族に関する情報は外部SNS等で書き込みや拡散はしないようお願いします。超越種族に関する情報が見つかった場合、発信源の特定及びプレイヤーアカウントの永久凍結さらに法的措置を取らせていただきますことになりますことを認知しておいてください』

「わかりました、肝に銘じておきます」


 最後になにかすごいことを言われたが無事にキャラクリは終わり、意識は現実へと戻った。

 それにしても、吸血竜かぁ。

 トンデモナイものを引き当てた気がするよ。

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