第一章 美少女実況配信者『ろぐなちゃん』爆誕!!
第4話 ゲームの名前と、キャラクリと 前編
ゲーム実況配信をすると決めた翌日の夜には、私が使わせて貰っている部屋へと必要な機材は運び込まれていた。
………………手際が良すぎないですかね?
しかもこれって超ハイスペックなリクライニングチェア一体型のBMIじゃないですか!?
舞梨さん、これは聞いてないんだけど!?
…………………………あとで問い詰めなきゃ。
閑話休題。
私が実況配信することになったゲームなんだけど、タイトルがね安直すぎてちょっと真顔になっちゃったよね。
『クーテクオッド・ユースティティア・オンライン』
直訳すると『可愛いは正義』らしい。
タイトルからどんなゲームか推測しようにもできない。
しかもサービス開始は明後日なのにPVも前情報も無く、わかっているのは数年前に大ヒットしたVRMMOを運営してた会社の新作ということくらい。
βテストは行われたらしいけど、そこでの情報も無かった。
つまりはなにもわからないということである。
そもそもVRMMOが初めての私にとっては、不安でしかないが舞梨さんもプレイするらしいから、どうしようもなくなったら思いっきり頼るつもりでいる。
…………舞梨さんに頼ってばかりだと、よくはないんだけどね。
というわけでそんな感じなんだけど、キャラクリは今の時点でできるらしいので先にやっておくことにした。
サービス開始直前だと、キャラクリが開始時間までに終わらない気がするからね。
すでにBMIの設定も『クーテクオッド・ユースティティア・オンライン』のインストールも完了している。
レッツ、キャラクリ!!
~~~
チェアに乗りBMIを装着して『クーテクオッド・ユースティティア・オンライン』にログインする。
体の感覚がほんの一瞬だけ消えて、またもとの感覚が戻ってくる。
今いる場所は現実の部屋じゃなくて、ほのかに明るい黒い空間だった。
何かないかなと思い、きょろきょろと辺りを見回すと体の向きから見て後ろの方にクルクルと回転しながら近づいてくるゲームのロゴが見えた。
それは徐々に大きくなって、やがて、目の前に来たタイミングで人の形へと変化していった。
完全に人型になるとそこからシステムアナウンスが流れ始めた。
『ようこそ、『クーテクオッド・ユースティティア・オンライン』へ。ワタシはキャラクタークリエイトの補佐を担当するAIです』
「あ、これはどうも。プレイヤーになる予定の華月です」
つい反射的に挨拶を返してしまった。
要らなかったかなと思ったが、案外とそうでもないようだった。
『華月様ですね、承知いたしました。これからキャラクタークリエイトを行っていきますがわからないことや聞きたいことがあれば何なりと申し付けください』
「わかりました」
『それでは始めに種族を選んでいただきます。プレイヤーが自由に選べる種族は純人、獣人、魔人の3つです。この他にどれが当たるかどうかはランダムですが上位種族がいくつか存在します。なお、上位種族につきましては何があるのか、いくつあるのか、それぞれにいくつ枠があるのかはおこたえできませんので予めご了承ください。ここまで何かご質問はありますでしょうか』
「いえ、特には無いです」
『そうでございますか。ではまず、自由選択で四種の中から選ぶのか、それともランダムで上位種族を狙ってみるのかを選んでください』
正直なところ、すごく悩んでいる。
各種族の特性は何となくでわかるからいいとして、VRMMO自体が初めてだからプレイの感覚的に通常種族から選んだ方がいいとは思う。
だけど、実況配信をするとなれば、上位種族のほうが絵的にはオイシイ気がする。
うーん、すごく悩ましいなぁ。
………………よし。
「ランダムでお願いします!」
結局、絵的な方を優先することにした。
だってプレイの感覚は後からどうにでもなるけど、キャラクリは最初の一回しかできないもんね!!
『承知いたしました。これよりランダムでの種族選択を開始します。お好きなタイミングでストップとおっしゃってください』
どこからともなくドラムロールの音が聞こえてくる。
なんともまあ、芸が細かいことで。
それよりも止めるタイミングに集中しなきゃ。
…………まあ、何かが回ってたりするわけじゃないから適当でも大丈夫なんだけどね。
「ストップです!」
私の言葉のあとでドラムロールが止まる。
はたして結果はどうかな?
『ランダム選択の結果、超越種族の選択権が選ばれました。これにより秘匿事項であった超越種族の情報を一時的に開示します』
………………………うぇい??
ちょうえつしゅぞくって、なんぞやえ??
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