第6話 本サービス、スタート!

 今日の13時から『クーテクオッド・ユースティティア・オンライン』の本サービスが始まる。

 本サービス前キャラクリの日から4日、この日が来るのをどきどきしながら待っていたから、プレイするのがとても楽しみなんだよね!!


 そういえば、昨日の夜に運営からゲーム情報が公開されたんだけど、このゲームは前作で採用されていたレベル制ではなくスキル制を採用しているんだって。

 つまりはプレイヤー自身のゲームの腕前、プレイヤースキルが大事ということ。

 フルダイブ型のゲームは完全なトーシローな私にはあまり優しくない。

 けどこれは、ある意味ではチャンスでもあるんだよね。

『フルダイブ型ガチ初心者による実況配信』っていう感じでやれば、そういった人を見守るのが好きなタイプの人達が来てくれそうだから。

 まあ、実際にどんなスタイルで配信するかは実際にプレイしてから決めるべきだよね。

 そんなことを考えていたら本サービス開始の13時になるところだった。

 チェアに横になりBMIを被る。


 いざ、ログイン!!


 ~~~


 ログインすると、本サービス前にキャラクリをした空間と同じ場所で意識が覚醒した。

 どうやら、まだここでなにかやることがあるらしい。

 前からゲームロゴが近づいて来ているから、あの時と同じで補助AIさんが現れるのだろう。

 予想どおり、ゲームロゴが人型へと変形する。


『華月様、ようこそいらっしゃいました。こちらでは超越種族になられたプレイヤーの皆様にご自身がゲーム内で使用するアバターの確認を行っていただきます。本来であれば、前回のキャラクタークリエイトの際にアバターの確認及び調整をしていただく予定だったのですが、超越種族の情報が本サービス開始前に流出してしまう可能性を最小にするためにこのようになりました。どうかご容赦願います』

「あ、はい、それは何となくそうなんだろうなって思ってたので大丈夫ですよ」

『寛大なお言葉ありがとうございます。それではアバターの確認に移りたいと思いますがよろしいですか?』

「はい、お願いします」

『では、表示させていただきます。こちらが華月様、プレイヤーネーム『ログナ』のアバターとなります』

「………これが私のアバター?」


 補助AIさんの言葉とともに、空間にアバターが立体で表示された。

 表示されたアバターは私がしていた予想よりも格段に綺麗で可愛くて何より後光でもさしているのかと錯覚するくらいに神々しかった。

 顔のパーツや体のサイズは現実の体と多分変わらないはず。

 それでも腰の辺りまで伸びたつやつやさらさらの赤み交じりの黒い髪に、新雪のように透き通ったもちもち肌。

 額からは頭頂部側に向かって生えた、黒光りする程よく太くて長い立派な角が。

 背中のほうには自身の体を簡単に包み込めるくらいの大きな翼が生えている。

 よく見ると手の甲や脛、肩の辺りには鱗らしきものもある。

 この感じだと多分、口の中にはしっかりと牙があるんだろうな。

 あ、尾てい骨付近から生えてる立派な尻尾も素敵だよ。

 これは下手に手を加えないほうがいいよね?

 そう思う程に、完成形のような作りだった。


『アバターの調整を行いますか?』

「このままで大丈夫というか、むしろこのままがいいの」

『承知いたしました。これにてアバターを確定します。これにてこの空間での作業は以上となりますが、なにか質問等はございますか?』

「とくには…………無いかな!」

『それでは『クオークテッド・ユースティティア・オンライン』をお楽しみください』


 体が淡い光に包まれる。

 それと同時に意識が薄れていった。

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