第21話


『生きてりゃ何度でも立て直せんだよ。人間様をナメんじゃねぇ』







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【TIPS】

斬刀流ざんとうりゅう

 覆面男もとい村長、ウロノスが扱う剣術。

 正式名称は斬空斎式ざんくうさいしき抜刀術。一度ひとたび構えを取れば、何人なんぴとたりともその体に触れること叶わず、と天下に謳われた伝説の剣豪『斬空斎』が世に広めようとした――が、ほぼ誰にも扱うことができずに廃れていった幻の流派である。

 しかし歴史の裏でひっそりと受け継がれており、現在はシマの外と中に一人ずつ、その免許皆伝者が存在している。

 ウロノス曰く、「俺はもうで、あとは弟子に任せた」とのこと。


 相手を十字に斬る『十字華じゅうじか』、力強い踏み込みから繰り出す一刀で相手を武器ごと破壊する『閃剣万華せんけんばんか』まではともかく、強力な剣圧で離れた敵を斬り飛ばす『白蕾びゃくらい』辺りから「これ剣術じゃなくて使い手がおかしいだけじゃね?」と首を傾げる者が現れ初め、大自然の力を宿した輝ける刃で前方広範囲を焼き払う『御刻鳳浄ごこくほうじょう』で「こんなの剣術じゃない!」と逃げ出されるまでが、弟子を取った時のお決まりの流れなのだとか。


◆毛玉のヨハネ

 ウロノス宅に入り浸っている謎の毛玉生物。その正体は呪神ヨハネ。ウグメやメロウと同様、このシマの何らかのルールを司っている存在であり、特に人間と敵対する位置にはいない。

 シマモノを作ることが出来る。シマに生息するシマモノも、そのほとんどがヨハネの『作品』である。呪神は人間を殺せないなどと呪神たちは語っているが、作り出したシマモノが人を殺すのはどうやら問題ないらしい。大した口約束である。その気になればきっと人類を滅ぼす手段もあるのだろう。それをするかどうかは、彼らの匙加減きまぐれによる。

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