◇◇◆未来編:カレタセカイジュ◇◇◇
第10話
「父さんと母さんは先に行ったよ。僕たちも急がなきゃ。こんなお祭り、滅多にあるものじゃないんだから」
「ゼレスも意外と、お祭り好き」
「べ、別にそういうわけじゃないよ」
「ふひひひ。隠すな隠すな。お姉ちゃんには、分かってるぞよ~」
もさぁ、と後頭部を、真後ろにいるゼレスの胸に押し当てる。
「――久し振りにアヤちゃんが会いに来るから、落ち着かないんじゃろ、じゃろぉ?」
「――そッ…………」
――んなことない、と言い掛けて、一文字目で踏み止まる。
ここには私しかいない。見栄を張って嘘をつく理由はないのだ。
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【TIPS】
◆シマモノ
黒い外皮に覆われた禽獣。基本形態は大陸全土に存在する生物群と同じであり、その行動方法も同じである。その名称は呪神がつけたものであるため、いずれの時代においても人類はそれらの存在をウグメを通じて知ることになり、共通認識としてシマモノと呼んでいる。
(※禽獣といえば一般的に鳥と獣のことを指すが、昆虫型のシマモノ、魚類型のシマモノも存在している。)
危険度はC~Aの3段階に分類。Aランクのシマモノはゴールド級セイバーでも単独討伐が難しいが、居住区には数十年に一度現れるかどうかなので、さほど気にすることではない。
◆白いシマモノ
通常の黒いシマモノとは異なる表皮を持つシマモノの一種。その存在は主に禁足区で確認されており、その戦闘能力は黒いシマモノとは比較にならない。また、魔法を使う特殊な個体も存在しており、それらは『原初のシマモノ』と呼ばれている。
◆原初のシマモノ
主に禁足区に縄張りを持ち、そこからあまり離れず暮らす特異個体(例外多数)。
それぞれ名称が存在しているが、全て彼らの自称である。即ち、言葉が通じる。
『
禁足区――「浮島」に生息。そこのけ、そこのけ、きのこ雲が上がる。
危険度SS
『
禁足区――「山岳」に生息。赤い帽子が見えたら逃げろ。恐らくもう遅い。
危険度S
『
禁足区――「樹海」に生息。子犬に見えるが、子犬ではないはずだ。
危険度?
『
生息地不明。本の幽霊。ペンは剣よりも強し。
危険度?
『
森林区に生息。そんなデカい口のついた白い壁が、安全であるはずがない。。
危険度SS
『
生息地不明。目撃情報なし。でもそれは、生存者がいないからかも知れない。
危険度?
『
禁足区――「雪原」に生息。そもそもシマにどうして雪原が?
危険度S
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