第8話 分かっていたけど
その後、数日間の間に取引停止になった大抵の家から執り成しをして欲しい、と言う懇願または恫喝をたくさん頂いてそろそろお腹いっぱいだったりする。
キチンと仕立てに出て?取引停止の理由を聞いてきた方々には取引停止解除を検討すると伝えしばらく接触しないで欲しいとも伝えたが、そこで大人しくしてなかった人もやはり居たので1部取引解除だけしてあげる事にしたりと、他に競争相手が居ないのをいい事にやりたい放題のアンシャンテだったりしたのだ。
もちろん、キチンと頭を下げその後もコチラに必要最低限だけ接してくる人たちには取引再開の手続きもちゃんとしている。
なんでこんなに必死になるのかと言うところだが、これまた異世界チート商品の定番?化粧品シリーズと、ヘアケア商品シリーズが特に貴族社会でのステータスになっており、取引停止をしてから早1ヶ月原因は子供たちにあるのが分かった各家はまずは子供たちから貴重な化粧品やヘアケア商品を取り上げたようで女子達だけでなく、男子たちの髪の毛もゴワゴワを隠すために以前のようにベッタリ撫で付けて誤魔化していた。
それで余計に発狂した令嬢につかみ掛かられたりもしたのだがそんな事したら余計に取引解除して貰えないのにまだ気づかないのかと呆れる程だった。
ちなみに、中心人物かと思われた公爵令嬢だったが、速攻で頭を下げて取り巻き達が騒いだりと言う事があったりしたのだが、その後何故かその公爵令嬢と仲良くなっていたりする(笑)
エリザ・ミッシェルクラン公爵令嬢いわく、取り巻きたちは公爵家に取って序列の象徴として無下には出来なかったが、正直鬱陶しいことこの上なかったそうで、この機会に縁が切れたことで、スッキリしたと、笑顔で話してくれたり結構気が合う子だったりした。
「エリザ様、コレ月の新作なんです。良かったら使ってみて感想聞かせてください。」いつの間にかそんな事を頼めるまでの関係になれたのは今回学生生活を送る上での目標のコネがひとつ出来たようなもので、それだけでも今回の騒ぎを起こして良かったと思える。
「アン!エリーって呼んで下さいと何度も言っておりますのに。」
エリザ様が可愛らしく拗ねている顔が可愛らしくニヤニヤしながらつい見とれてしまったりするのは同性として変態じみてるとは自覚してるけど可愛いものを愛でたくなるのは仕方が無いと思う!
「エリザ様、周りの反感をこれ以上買いたくないので今はまだお許しください。周りに誰もいない時だけでしたらエリーと呼ばせていだきますね。」
商売と関係ない所での恨みは買いたくない。
「仕方がありませんわね、ところでこの商品はどうやって使うものなのかしら?」
私の渡した小瓶を覗き込見ながら聞いてくる姿も…
ってほっとくとアイドルのファンみたいになってくる。
「コレはヘアパックと言うモノで、シャンプーとトリートメントの後に使うものになります。」
実はシャンプーとトリートメントは先行して発売していが、ヘアパックまではあえて売り出していなかったので今回この騒ぎに便乗して更なる美髪を広めてその上で取引停止にしている1部の貴族達にシャンプーのみ取引再開をする予定だったりする。
お得意様だからね、長い間取引停止しておくのも勿体ないけど主導権は握っておきたいからとりあえずしばらくは小出しで再開予定だ。
たかが男爵家にこんなに振り回されている国も大丈夫なのかと不安になったりもするが、アンシャンテは親孝行と、自分が後にのんびりライフをするためなら自重する気は全くなかったりする。
「アン、では使ってみてから感想をお伝えすればよろしいのかしら?」
「はい!よろしくお願いします。」
エリザ様と仲良くしていることが旧取り巻き達から更なる恨みを買ったことをアンシャンテはまだきづいていない。
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