第3話 パパのために!

夜は誕生日パーティって言ってもパパとママと3人でのお祝いだけど、ママは私の大好物ばかり用意してくれていてる。


ある程度の食事も済ずっとソワソワしていたパパがついに聞いてきた。


「アンはどんなスキルをもらったんだい?」

その途端ママの顔色は曇ってしまったが、私は気にせず答える。


「検索と、クリエイティブ」



その途端やっぱりパパも顔色が曇る。

正直司書は大きな街でしか仕事がなくそれもなかなか雇って貰えないらしい、クリエイティブもやっぱり何でも屋みたいな感じでなかなか難しいようだ。


「パパ、ママ」

落ち込んでいるふたりを励ますために何ができるんだろう、そう考えてからいい事を思いつく!

「心配しないで、私のスキルは実はちょっと特別なの!」

ここは女神ルルーシュ様の名前を借りてしまおう!

「あのね!お祈りしてる時にルルーシュ様かもしれない声を聞いたの、その検索スキルは特別な使い方が出来るから頑張って使いこなしなさいって。」

本当はそんな声聞こえていなかったけど直感と、家に帰ってから試して見た結果で問題ないのは既に分かっている。

「アン!ルルーシュ様の声をきいたのか?!」

パパに肩を掴まれて覗き込むように問われる。


「ルルーシュ様かは分からないけど、何となくそんな気がしただけ、それでね、さっき試しに色々検索してみたいの!」


本来検索スキルはたくさんの本や書類の中から必要な項目のものを探すとしか知られていない、ステータスを表示して検索スキルを使うとまんま前世のインターネット画面(笑)

さすがに思わず笑ってしまったくらいだ。

この辺は以前読んだ異世界物語と同じなんだなーと思わず感心もしてしまったりした。



「それでね、パパが前に領主様に頼まれてた事を調べてみたの!」


ここ数年魔物が作物を食い荒らす被害が増えているので自分たちでどうにかしろ!でも税金は今まで通り払え!と無茶ぶりされていたのをママに漏らしていたのを聞いていたのでどうにかならないかと調べてみたのだ。


思い出したのは誘い込むためのゲージみたいな罠と、童話とかに有りそうな脚を挟むギザギザの罠、それぞれ紙にこんな感じと子供の拙い絵になってしまったが見本として書いたものを急いで部屋から取ってきて見せる。


不思議とこの世界は罠と言う物が無いらしくテレビなどで見た程度の知識位でもとっても画期的だったりするのだ!


「こ、これは…」

渡した絵をブツブツ言いながら考え込むパパと横から覗き込むように見ているママ。


「パパ?」

あまりに長い時間放ったらかしだったので声をかける。

「あ、あぁ」

「ちなみちねー、サブスキルのクリエイティブでこんな事も!」

魔力ようはステータスにはMPを使って色んなものが作れちゃうって言うこれまたチート能力で作った木のギザギザの挟み込むタイプの罠も披露する。


もちろん材料は必要だから裏庭の枯れ枝とか要らなさそうな木材を使っているが、見本なので形さえ作れればという程度のものだ。


「アン!」今まで呆然としていたママが急に抱きついてきた。


「凄いわ!アンのスキルがこんなこと出来るなんて知らなかったからママ勝手に落ち込んじゃってごめんね。」


ママはボロボロ泣きながらでも安心した顔をしていたのを見て私も嬉しくなる。



「アン、これはとんでもないモノだ、コレがアンの検索スキルで知ったものだと知られたら逆に大変な事になる。だからクリエイティブのスキルで閃いたという事にしておきなさい。」


パパに言われて私もさすがにやらかしたのに気づいた。

確かに便利な物を調べられてしかも作れるとなれば大事になってもおかしくないし、国に保護されたとしてもいいように使われてしまうのがオチだろう…


「わかった、このことはパパとママと私だけのヒミツだね!」


「そうだよ、だから外であまり色んなものを作ったりせず困ったらパパが相談にのるから。」


うーんさっそくチート能力でやらかしてしまった気もするけど、出来ればこのチートを使ってパパとママに楽な暮らしをさせてあげたいし、せっかくの異世界で、魔法とかあるんだから楽しみつつのんびりライフを目指したいとはおもうからしばらく自重しようと心に違った…

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