第2話 洗礼式!

朝食を終えママに連れられて教会に向かう。

パパはお仕事があるので一緒に行けないことが悔しそうではあったがにこやかに送り出してくれた。


一応小さな町の代官で騎士爵位を持っているが、何せ辺境に近い町なので使用人とかは居ない普通の家庭だ。


そんな小さな町の教会もこじんまりとしていて、いるのは引退間近のおじいちゃん司祭、でもとっても穏やかで権力とか興味ないからこんな田舎に飛ばされたんだろうと思うくらい。

昨日まではそんなことも考えて見てなかったけど、前世の記憶が戻ったことにより、だいぶ物の見方も変わった気がする。


「おはようございます、ウェルズ夫人、アンシャンテ様」

私たちが教会へ入ると既に準備をして待っていてくれた司祭様がにこやかに微笑んで迎えてくれた。

「グゥエール司祭、本日は娘の洗礼式をよろしくお願いいたします。」

「おはようございます司祭様!よろしくおねがいいたします。」

「アンシャンテ様に女神ルルーシュ様のお導きが有りますように」

この世界は女神ルルーシュ様1柱のみの信仰で、細かい流派はあれど、基本的にはみんなルルーシュ様を信仰している。

そして、5歳の洗礼式で【スキル】を授かりそのスキルに応じて学校を決めたりする事が多い。

学校と言ってもピンキリで、冒険者養成学校、職人養成学校、商業系の学校、騎士学校、魔法学校、貴族学校と意外としっかり学べるようになっているのはとてもいい!


ちなみに【スキル】は基本は1つだが、1000人に1人位でサブスキルを持つ人もいる、メインのスキルに連動してる人も居ればまったく関係なく、結局ゴミスキルとして見られているものもあるが、結局使いこなせていなければ全てゴミスキルと何ら変わらないのが現状ではある。


ちなみにパパは2つ持っていてメインスキルは剣技、サブスキルは運営で、この2つが有るから騎士爵位が貰え小さな町の代官として出世出来たみたい。

ママも統率ってスキルが有るからこの町のリーダー的存在として受け入れて貰えたらしく、なかなかバランスのとれた夫婦だ。


「それではアンシャンテ様こちらへ、ルルーシュ様へ祈りを捧げましょう。」

ぼんやりしていると司祭様に促されて、ルルーシュ様へ祈りをささげる。

それを司祭様が洗礼のお言葉を紡いでいくと何だか身体がポカポカする気がしてきた。

しばらくして、司祭様が差し出したプレートに手を乗せると公開ステータスがプレートに表示される。


洗礼式を受けたあとは自分だけのステータスはいつでも見れるが他人には見えない不思議な仕組みになっていて、鑑定スキルを持つ人にか、この鑑定プレートに手を乗せると他人にステータスが分かるようになっているので洗礼式の後は必ずプレートで確認をして万が一有用なスキルだと国に保護されるらしい。

まぁ、ベタな話聖女とか勇者とか悪人に利用されたくないスキルは国で保護するよー!って事だね。


ところで、私のスキルだけど…

司祭様も、ママも困惑している。


何せ【検索】【クリエイティブ】この2つで、クリエイティブは職人系にまれに出るが、なんでも作れるよー!なイメージの強いものだが、何かに特化している訳では無いので比較的微妙なスキル扱いされている。


そして、検索のスキルは司書としてしか使えないゴミ同然スキルとされているから、2人とも困惑してしまうよね(笑)


でも私の直感は、検索し放題!これ隠れチート!と言っている、何せ、前世ではインターネット当たり前社会で検索ツールが無いと不便!そんな生活をしていたのだからそれが使いたい放題なんてが無い!心の中でガッツポーズしつつ、複雑な顔のママに手を引かれ帰宅するのだった。


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