チート?なにそれ美味しいの?!

千本桜

第1話 転生しちゃってる?!

夢を見た…


真っ白な空間で、心地の良い光に包まれている自分、心の中に語りかけられているような声。


『私の出来る限りの加護を与えておきます。今度は幸せに、好きなように生きなさい…』



他にも色々言われた気がするけど覚えているのはこのセリフだけ、でもそれだけ覚えていれば充分な気がしている。



目が覚めると、ソコは見慣れている自分の部屋なのに、とっても新鮮に感じるのは前世の記憶が戻ったからなのかもしれない。

私、アンシャンテ・ウェルズの前世は何処にでもいる普通のアラサー女子だった、身内の縁も薄く結婚まで考えていた彼氏には手酷く裏切られてプチブラック企業の繁忙期で毎日終電で帰宅していたそんなある日、酔っ払いにぶつかって駅のホームで転落目の前の電車のライトが眩しかったことまでしか覚えていないけどきっと私の人生はそこで終わったのだろう。

何故急に前世を思い出したのかは分からないが今日は5歳の誕生日、教会で洗礼式を行い【スキル】を授かるからかもしれない。


アンシャンテとして産まれた世界は前世のゲームや流行りの異世界物語の様な文明のそんなに発達していないが、剣と魔法の世界だ!



前世では、電車の中で読む異世界物語にハマっていた所でまさか自分がという感じではある。


「アーン!アンシャー!」

下の階から母が私を呼んでいる。

「はーい、いまいくぅ」


「パパ、ママおはょぉー」

「おはよう、アン、お誕生日おめでとう!」

私の顔を見るとパパはにこやかに話しかけてきてくれる。

「さぁ、朝ごはんを食べてしまいなさい、今日は教会で洗礼式をするのだから。」

いつもよりちょっぴり豪華な朝食をママが用意してくれていて些細な事かもしれないけど両親に愛されている実感がとても幸せにおもう。

「いただきます」


そんな幸せを感じるのはやっぱり前世を思い出したのからなんだろう…


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