1章 

第1話

(う、眩しい.....。うるさい、うるさい。)


目覚ましの音がする。ピピピ、ピピピ。スマホの目覚ましアプリを使ってて中を開いてスマホを数回振らないと鳴り止まないためとても厄介だ。それにカーテンからくる日差しとても眩しくて嫌になってくる。


(あーもう、もうちょっと寝させてくれてもいいのに...)



そんなことを考え布団の中に潜り、耳を塞いで寝ていると、何やら今度は足跡が近づいてきた。


(げっ、この足跡は...)


ガチャ


『おい凛〜!!!!!!朝だろ!!おきろー!目覚ましうるせえからはやくきろって』


父親の足跡だ、毎朝毎朝こう私を怒鳴り散らし起こしてくれる。


『うるさいなぁ〜わかってるよ。もうきるってば...』


そう言って父親が何処かに行くと、私はスマホを開きアプリを開いて目覚ましを止めたのだった。


『はぁ、このアプリやっぱ不愉快だし。違う奴でも入れようかな?』



そう言って、いつも通り制服に着替え、髪をセットし、歯磨きをして、朝ご飯を食べて学校に行くのだった。



『おかあさん、おとうさん、学校いってくるね』



おかあさんからの返答はなく、父親だけ「真っ直ぐ寄り道せず帰るんだぞ」と言ってくれた。たぶん、お母さんはトイレでもしてるんだと思う。



そして、家を出ていつものようにそこに住んでいるねこさんに挨拶をして『ねこさん、ねこさん、今日も凛がんばってくるね!』と言って走って学校に行った。





私は、小学生からそれより前の記憶がない。気付いたら病院にいて、お父さんとお母さんが泣いてて、「凛、凛、大丈夫?大丈夫?」とすごく心配しいた。わたしは、何もわからず、自分を分からずただ、天井をみていた。



それから、お医者さんにこの人達はわたしのおとうさんとお母さんと伝えられた。なんで記憶がないのかもわからず、けど事故にあったらしくて、そのうち記憶が戻るらしい。けど、4年たった今でも記憶は戻ってない。



わたしはもう、今日から高校1年生。桜の花びらをなびかせ、門をくぐった。





『と、ともだち。できるといいな』



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

0 倉沢 @kurasawa601

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ