閑話休題

スタッフもちょっと休憩

 楓がバックヤードに戻ると、磐音は椅子に座ってうとうとしていた。その隣に座っているのは、黒い着物の男だ。スマートフォンで何かを調べている。そのスマートフォンを、真美が覗き込んでいた。

「燈哉殿」

 楓が声をかけると、燈哉という男は立ち上がろうとする。どうかそのまま、と楓が促すと、軽く頭を下げた。燈哉と真美が同じ場所にいる、というのが、楓には意外だった。

「楓ちゃん、おつかれさま」

 勇貴が厨房から会釈をする。

「ガンちゃん、具合が悪いみたい。熱中症っぽかったよ。燈哉がを差し入れにくれて、助かった。それと、食材も。おかげで、一品間に合った」

「すっごくタイムリーだったんだよ!」

 真美も、ぱっと顔を上げる。

「さっきのぶなしめじ、このかたから頂いたの。ウェブにも詳しいし、恰好良いね!」

 燈哉は目を伏せ、わずかに首を横に振る。表情の変化に乏しい燈哉の、通常運転だ。

 こちらです、と見せてくれたスマートフォンの画面には、ウェブ小説のリンク先が表示されていた。



 「走れ、裂き子さん」(lager様)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886732015


 「患者失格「太宰さま、ご免なさい」」(アメリッシュ様)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054914808856


 「明智光秀によろしく」(アメリッシュ様)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054910100910

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