第14話 真一と長島…初めての旅行①『温泉』
真一と長島はマンションを出て、本屋でガイドブックを買いに出掛け、マンションに戻った。
ダメ元(ダメで元々)で近場の各温泉旅館に空き状況を確認すると、なんと京の華温泉で離れの露天風呂付客室が空いていた。しかも価格もなぜか安価だったので、真一は長島に確認し二つ返事ですぐに予約を入れた。そして長島は喜んでいた。
長島「なんかめっちゃラッキーやったなぁ(笑)」
真一「そうやなぁ。普通は満室やろうと思ってたけど…」
長島「しかも離れで露天風呂付、温泉で源泉かけ流しって、めっちゃエエとこやんか。それに値段もなんか思ってたよりも安くて…」
真一「京の奥座敷・京の華温泉やから、近いしなぁ。大丈夫か?」
長島「大丈夫やで。来週が楽しみやわぁ(笑)」
真一「あぁ。こんなとこ一人では泊まれんから、お連れさんがおって良かったわ」
長島「じゃあ、来週もいっぱい楽しもうね、しんちゃん(笑)」
真一「うん」
長島が真一に抱きつく。そして長島のスキンシップが始まった。
長島「しんちゃん」
真一「なんや?」
長島「幼なじみにそっくりな顔の私が、こんなにイチャイチャしてたら、幼なじみとこうしてたかったやろ?(笑)」
真一「別に…。りっちゃんはりっちゃんやんか。もう『幼なじみ(優香)≠りっちゃん』ではないって」
長島「ありがとう、しんちゃん」
真一「あぁ…」
長島は真一にキスをして甘えていた。
真一「どうしたん?」
長島「うれしい、しんちゃん」
真一「そうか」
長島「来週、一緒に温泉でゆっくりしよ」
真一「仕事の疲れをとらんとなぁ…」
長島「ホンマやなぁ。おっちゃん相手は疲れるわ、OLは(笑)」
真一「経理部のお嬢ですからねぇ」
長島「そんなええもんとちゃうわ(違うわ)(笑)」
翌日から真一と長島は一週間仕事を難なくこなした。金曜日、真一宛に長島からメールが届く。
長島『この期に及んでだけど、私の携帯(電話)の番号とアドレスを送っとくね。あ、しんちゃんのアドレスは登録したけど、番号だけまた携帯(電話)にメールしておいてくれへんかなぁ。じゃあ、明日よろしくお願いします』
真一『お疲れ様。了解』
真一は長島に携帯電話の番号を長島の携帯電話にメールした。
そして翌日土曜日、真一は車で京都へ向かった。当初電車で行く予定だったが、真一の体力が回復しつつあり、真一は長島に了承を得て試しに車で行ってみることにした。
京都に着いて、長島を迎えに行く。
長島「おはよう。朝からお疲れ様」
真一「お待たせしました」
長島「しんちゃん、独身やのにワンボックス車なんや」
真一「荷物も人も積めれる事と、家出するときには、この車で寝れるしなぁ…」
長島「あ、なんや悪いこと考えてるなぁ…」
真一「人聞き悪いこと言わへんの」
真一は心の中で思った。
真一(あ、なんかこの前もこんなやり取りあったなぁ、こんな顔した人(優香)と…)
長島「だって、この車で○○チできるやん(笑)」
真一「え、そっちの話? というか、捕まるわ❗」
長島「なんなら、これから私とする?(笑)」
真一「おいおい、せえへんわ。いまから温泉行くんや」
長島「そうやな(笑)。しんちゃん、体調は大丈夫なんか?」
真一「うん、今のところは…。今日は温泉に行くから気分的にも調子良いんかも」
長島「そっかぁ、よかった(笑)」
真一「さて近いからすぐ着くんやけど、どこかチェックインまでの間、どこか出かける?」
長島「ううん、しんちゃんと一緒に居られたらそれでいいよ」
真一「ちょっとあてのないドライブするか?」
長島「そうしよか。でも無理せんといてな(しないでね)。温泉はこれからなんやから」
真一「あぁ…、あまり遠くには行かへんよ。この辺りをぐるぐる廻るだけやから」
長島「あ、そこのドラッグストアーへ寄ってくれへん?」
真一「わかった」
真一と長島はドラッグストアーへ立ち寄る。
長島が何か買い
しばらくして、真一は車を出した。一路京の華温泉へ向かう。
京の華温泉は山手の方にあり、その道中でせんべい工場がある。2人はせんべい工場を見学…というよりもせんべいの直売所へ向かった。
真一「ここの前はよく通るけど、立ち寄ったことなくて…」
長島「私も話はよく聞いてるけど来たのは初めてやわ」
2人は色々なせんべいを試食しながら品定めしていた。2人はそれぞれ好みのせんべいを買った。
せんべい工場を後にし、国道沿いのファミリーレストランで簡単に昼食をとった。
昼食をとった2人は一路京の華温泉へ向かう。
チェックインは午後1時からなので、2人は早めにチェックインすることにした。
駐車場に車を停め、旅館に入る。
女将と仲居に出迎えられ、真一はチェックインと宿泊費用を精算する。
女将直々に部屋を案内される。
女将「本日お泊まりいただきます『華の間』でございます。こちらは露天風呂付客室となっておりまして、露天風呂はもちろん源泉かけ流しの温泉でございます」
真一と長島が期待を高める。
女将「本日からご1泊で承っております。お部屋に備え付けの露天風呂はいつでもお好きな時間にお入りくださいませ。また大浴場もございますが深夜2時までとなっておりまして、明朝は5時から9時までとなっております。それからお食事につきましては、ご夕食はこちらのお部屋で、朝食は朝食会場がロビー横の『応接室』となっております。ご朝食は何時にさせていただきましょうか?」
真一「何時にする?」
長島「何時でもええよ。7時半くらいにする?」
真一「じゃあ、そうしよか。女将さん、7時半でお願いできないでしょうか?」
女将「承知いたしました」
女将と朝食までの時間打合せが終わり、女将が退室する。
女将「それでは、どうぞごゆっくりおくつろぎくださいませ…」
女将が退室した後、お茶を飲みながら真一と長島が話す。
長島「めっちゃ高そうなところやのに、ラッキーやったなぁ(笑)」
真一「ホンマやなぁ…。何かの間違いでは?…って思ったけど、間違いではないみたいやったなぁ」
長島「しんちゃん」
真一「ん?」
長島「ホンマの近場でも、こんなエエとこ連れて来てくれてうれしいで」
真一「オレも1人やったら泊まれんかったから、りっちゃんに感謝やわ」
長島「しんちゃん、早速温泉入らへんか?」
真一「そうやな…。先入るか?」
長島「何言うてんの❗ 一緒に入ろ」
真一「マジか…」
長島「嫌?」
真一「…わかった」
長島は笑いながら、真一にキスをした。
真一が先に温泉に浸かる。
真一「はぁー…ええ湯やなぁー…」
長島が露天風呂に入ってきた。
長島「どう、湯加減は?」
真一「うん、ええ湯やで」
長島「ホンマやなぁ、気持ちいい」
真一「癒されるなぁ」
長島「うん。しんちゃん、もっと癒されたい?」
真一「え?」
長島「初めてのデートが温泉旅行やからね、もっと癒されたいかなぁって…」
真一「まぁ、お互いに日頃の疲れがとれるようにできたらええと思うで」
長島「そうやなぁ。私がしんちゃんをいっぱい癒してあげよか?」
真一「傍におってくれるだけで癒されるで」
長島「しんちゃん…」
長島が真一にキスをした。
長島 「私もしんちゃんがこうしておって(居て)くれるだけで癒されるで。しかも温泉入ってるし、余計やな(笑)」
真一「そうか…」
長島「うん」
真一「今日はいつもより余計に甘えとってやけど、どうしたん?」
長島「温泉に入れるだけでも嬉しいのに、こんな良い部屋でしんちゃんと寛げるのがもっと嬉しくて…。絶対良い温泉旅行やわ、しかもめっちゃ近場で…」
真一「そうやなぁ…。まぁ日頃の事は忘れて、鋭気を養おうなぁ…」
長島「うん…」
長島が真一にまたキスをした。
真一は、長島が“スイッチ”が入ったと察した。
真一「りっちゃん、どうしたん?」
長島「なぁ、温泉でスイッチ入る女は引く?」
真一「引かへんけど、もう欲求不満か?」
長島「しんちゃんのことが愛しくて、しんちゃんと付き合ってからスイッチが入りやすいんや」
真一「そうか…」
長島「ダメ?」
真一「夜まで待てへんのか?」
長島「我慢できん(できない)…」
真一「どうしたいん?」
長島「抱いてほしい」
真一は長島を優しく抱いた。
真一「いま温泉入って癒されてるけど、オレ、りっちゃんと仲良くなってから、りっちゃんに会うと癒されてるんや」
長島「そうかぁ(笑)」
真一「うん…。まさか温泉旅行してるなんてなぁ…」
長島「私と一緒に温泉入って良かった?」
真一「あぁ。普通では考えられへんけど、りっちゃんが嫌がっとってないみたいやから…」
長島「『同期の同い年』じゃなくて、友達も越えて『恋人』でしょ。もう裸の付き合いもしてるし(笑)」
長島がまた真一にキスをする。
長島「しんちゃん、めっちゃ嬉しい」
真一「どうしたん?」
長島「私、今までこんなふうに彼氏と旅行行ったことなくて、ご飯食べて○○チして…って素っ気なかったから、テンションあがってて…」
真一「そうやったんや…」
長島「しんちゃんって、行動派やもんなぁ。遠出とかしてるやろ?」
真一「してるなぁ、入院するまでは…」
長島「また連れてって欲しいなぁ…」
真一「わかった。オレは基本的に温泉みたいにのんびりしたい派やから、りっちゃんはそんなんは辛いか?」
長島「ううん、彼氏とゆっくりできたらいいよ」
真一「そうか…」
長島「しんちゃんゴメン、私、暴走するかも…」
真一「じゃあ、あがろか…」
長島「うん…」
2人は温泉からあがるや否や、長島が積極的に真一と体を重ね、真一と温泉に入って二人だけの世界で癒されることに悦びを噛みしめていた。
長島「しんちゃん、嬉しい…」
真一「そうか…」
長島「もっとしてもいい?」
真一「元気やなぁ…」
長島「大好き(笑)」
長島が積極的に真一を抱いた。何度も何度も長島は真一を抱いた。真一も長島の想いに応えた。
長島「しんちゃん、今日は激しい…」
真一「どっかの○○チなビデオやないんやから…」
長島「もっと来て。私と○○チして、しんちゃん早く元気になって、病気を吹っ飛ばしてね(笑)」
真一「もう、ある程度吹っ飛ばしてるかも…」
長島「良かった(笑)」
夕方、部屋に夕食の準備が進められ、2人は部屋で宿の料理を堪能した。
料理を堪能した後、仲居が布団を敷きに部屋に入る。
手慣れた手つきで仲居が布団をあっという間に部屋に敷いた。
長島「見ていて、布団敷き早いですね。流石ですね」
仲居「この仕事を30年程やらせていただいています。毎日やっている仕事ですから、体が覚えてるんでしょうね…」
長島「そうですよね…」
真一「真心がこもっていますね」
仲居「恐れ入ります」
仲居が部屋を出る。
長島が仲居の布団敷きに興味津々だった。
長島「私らも、さっきの仲居さんの布団敷きやないけど、長いこと仕事してたら、体が覚えるんかなぁ…?」
真一「仕事だけやなくて、普段の日常の動きにも当てはまるんやないやろか?」
長島「そうかなぁ…」
真一「あぁ…。実はな、先々週の日曜日に『幼なじみ』と会ったんや」
長島「そうなん?」
真一「うん。オレが入院した話をどこかで聞いたみたいで、元カノ(夏美)のことも聞いたみたいやった。それでどういうことか事情聴取したい…と言うから、会ったんや」
長島「何年ぶりに会ったの?」
真一「8年ぶり」
長島「そうやったんか…」
真一「心配しとったわ。体調のことやら『彼女見つけんへんのか?』とか色々気にしとった」
長島「幼なじみは結婚しとってないん?」
真一「まだみたいや。『何しとんねん』ってハッパかけたら『うっさいなぁ…』ってボヤいとった(笑)」
長島「8年も会ってへんかったのに、息ピッタリやんか(笑)」
真一「体が覚えてたんかもなぁ…。幼なじみとのやりとり、それに幼なじみがどんな人なのか、8年も間空いてたけど、体が感覚を覚えとったみたいやった。オレは何とも思ってへんかったんやけど…。そやから、さっきの仲居さんの布団敷きに繋がるんやないやろか…」
長島「そうかもしれんなぁ…」
真一「あ、安心して。幼なじみは今の旦那と結婚してやし、オレもそれ以上干渉せえへんから…」
長島「わかってるで。しんちゃんは今、私と一緒やもんなぁ。ええやん、私、幼なじみと同じ顔してるんやから(笑)」
真一「………」
長島「幼なじみとできんかった(できなかった)いろんなこと、私としよ(笑)」
真一「…前向きに捉えるわ」
長島「うん(笑) 今なんか特にそうなんとちゃうか(違うか)?」
真一「…そうやな…」
長島「仲居さんに布団をキチッと敷いてもらったことやし、しんちゃん、そろそろラブラブタイムやな(笑)」
真一「夕方したやんか」
長島「もうスタミナ切れ?」
真一「違う。たまにはゆっくり休まへんの?」
長島「休むよ。でも、こんなシチュエーション、何もしないって…なぁ…(笑)」
真一「無理にする必要ないやんか」
長島「無理やないよ、一番大事な人と一番大事な時間なんやから…。今度はしんちゃんから来てよ」
真一「オレ、無茶は…」
長島「わかってるで。しんちゃんが強引なことしない…って。だから私、しんちゃんを待ってるんやで」
真一「わかった、りっちゃん」
真一は長島の浴衣を脱がす。長島がドキドキしているのを真一はわかっていた。真一は優しく長島の唇に自分の唇を重ねた。
長島「しんちゃん、私もボディタッチするわ」
長島は真一の体を触り、真一の浴衣を脱がす。そして、真一の体に手を差し伸べた。
真一と長島は、夜遅くまで布団の上で激しく抱きあった。
翌朝、朝食前に温泉に浸かる真一と長島の姿があった。長島はずっと真一に身を任せていた。
長島「しんちゃん」
真一「どうしたん?」
長島「昨日は嬉しかった」
真一「そうか…」
長島「めっちゃ嬉しかった」
真一「そうか…」
長島「○○チばかりで嫌やった?」
真一「まぁ温泉旅行やし、仕方ないわな…」
長島「今日チェックアウトしたら、どこに行く?」
真一「それなんやけど…」
長島「うん」
真一「少しだけ足伸ばしてみんか(みないか)?」
長島「いいけど、どこへ?」
真一「行き当たりばったりなんやけど、りっちゃんが行きたいところ」
長島「京都からは出たいかな…。しんちゃん、体調は大丈夫なん?」
真一「昨日から大事な人と温泉を満喫してるし、癒されてるから、今のところは大丈夫かな…」
長島「でも、あまり無理させられないから…」
真一「オレ、試してみたいんや。今の体力がどこまで復調してるか…」
長島「わかった。じゃあ、大阪くらいまで行ってみる?」
真一「わかった。さて、朝飯食べに行こか」
長島「うん。しんちゃん」
真一「ん?」
長島が真一にキスをした。
長島「朝ごはん食べたら、チェックアウト前に、しんちゃん食べたいかな…」
真一「朝から元気やなぁ…」
長島「じゃあ、後で私がしんちゃんを元気にしてあげる(笑)」
真一は目元に手をあてた。長島は笑っていた。
温泉からあがった真一と長島は朝食会場で朝食をとる。
長島「朝からよく食べるなぁ、しんちゃん(笑)」
真一「昨日、いっぱい運動したので…」
長島「じゃあ、この後も運動しよか(笑)」
真一「りっちゃんだって、スタミナ切れにならへんの?」
長島「私は、ご飯もやけど、しんちゃんを食べてるから…(笑)」
真一「なぁ、朝っぱらから話すようなことか?」
長島「そうやな…(笑)」
朝食を食べた真一と長島は部屋に戻る。
真一は名残惜しむかのように、再び温泉に浸かる。すると、長島も一緒に温泉に浸かる。
長島「しんちゃん、ホンマに温泉好きなんやなぁ」
真一「うん。のんびりできるからなぁ。それに家の風呂とは訳が違うし…」
長島「そうやなぁ…。なんとなくわかる気がする」
真一「うん」
長島「なぁ、しんちゃん…」
真一「ん?」
長島が真一にキスをする。
真一「どうしたん?」
長島「ありがとう、こんな良いところに連れてってくれて…」
真一「こちらこそ、オレの行きたい温泉に付き合ってもらって…」
長島「ううん、私も温泉に来たかったから、ちょうど良かった」
真一「そうか…」
長島「しんちゃん、大好き」
真一「オレもりっちゃん大好き」
長島が積極的に真一の唇を奪う。
真一「スイッチ入ったか?」
長島「どうしたん? しんちゃん、スイッチ入った?」
真一「入ってないって言うたらウソやけど、今はりっちゃんと温泉でゆっくり浸かりたい」
長島「そうやな…」
そして、時間の許されるまで宿で癒した真一と長島だった。
そして、チェックアウトをする真一と長島。宿を後にして、一路大阪へ向かった。
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