サイドメニュー「ピザランド事件」

 ピザの国、ピザランド!

 それはピザ好きのための娯楽施設レジャーランド

 世界中に残るピザの歴史を纏めた資料が集められた資料館!

 世界最古のピザを再現したものから世界最新のピザだけでなく、世界各国の特殊なピザも食べられる食事館!

 そして、石窯を使った本格的なピザ作り体験所!

 ピザに関わるありとあらゆることを一同に集めた施設!

 それがピザランド!


 ようこそ!ピザの国、ピザランドへ!




 国内にある島を丸々使って作られた娯楽施設であるピザランドは、開場前にテレビやラジオやネットなどでCMが流れると一気に話題となり、開場直後から大盛況となった。

 特に富裕層から人気があり、中でもピザの配達サービスは目を見張るものがあった。

 離島にあるピザランドからヘリコプターを使って沖縄を除く全国へ直送するという、他のピザ屋の配達サービスとは全く異なるもので、値段も雲泥の差があったが、富裕層の多くがこれを利用していた。


 しかし、栄華を極めたピザランドは約五年半で閉鎖された。


 理由はピザランドのにあった。

 ピザ好きのための娯楽施設、ピザランド。

 しかし、その実態は富裕層が快楽を貪るための巨大な悪の巣窟だった。


 ピザランドを訪れた富裕層以外の家族は往々にして親子共々に行方不明になった。

 ピザランドの中では裏メニューとして麻薬の売買が行われていた。

 ピザランドで作られたピザの裏メニューにはが入っていた。

 ピザランドの裏メニューにはも含まれていた。


 ピザランドの裏の顔は、人身売買、麻薬売買、食人行為カニバリズム、児童買春などをするために作られた、富裕層による富裕層のための悪夢のような娯楽施設だった。


 ピザランドの運営及び顧客として、政治関係者、官僚、芸能関係者、教育委員会、スポーツ組織、メディア関係者、警察組織、弁護士、検事、裁判官、教師、自衛隊、反社会的勢力、老舗大企業、IT関連企業、はたまたなど、ありとあらゆる支配階級、そして、富裕層と呼ばれる金持ち達が関わっていた。

 そして、創設者は国の象徴である一族の血を継ぐ人物と言われていた。


 当然、人としてこの様な施設があることを認めてはならないはずだった。

 しかし、富裕層は独自のルールを作り、会員制として互いに秘密を共有することで富裕層以外の層の人々を虐げていたため、暗黙の了解としてピザランドは存在し続け、富裕層にとってはピザランドは天国であり、それ以外の人々は裏の顔を知らずにピザランドという地獄へと訪れてしまい、姿を消していた。


 だが、そんなある日、ピザランドは閉鎖されることになった。

 それは、自身の既得権益を守ることよりも他者の幸せを心から願えるという極一部の富裕層の人々、富裕層以外の人々、そしてが関わって結成された反ピザランド勢力が海外の軍と協力したことによる武力制圧が原因だった。

 制圧された後のピザランドは、顧客名簿と運営の実態が世界に公開され、瞬く間にこの国、そして人類の汚点となるとして世界中に知れ渡った。

 ピザランド事件は、運営や顧客で関わっている人物が国内の権力者だったことや、法を司る者達も多くが関わっていたこともあり、国内の法廷で裁くには癒着がありすぎたため、世界的な特例として、全て国際裁判所が主導して開かれた法廷で裁かれた。

 運営だけでなく顧客も逮捕されたピザランド事件の逮捕者は、富裕層を中心に数十万人を超えた。

 そして、運営と顧客の中でも悪質な者達は死刑または終身刑となったが、それらは数百人から数千人に及んだ。


 これがピザランド事件の概要である。


 余談だが、ピザランドは顧客の元へ裏メニューのピザ、つまり、麻薬入りピザ、人肉入りピザ、人身売買の被害者、児童買春の被害者などを届ける際、訪問時に必ず言っている言葉があった。


 それは…


























 


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