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みちるは台所を出ると、廊下で一度、小さく自分の両頬を自分の両手で叩いた。
ぱん、と小さな音がする。
それからみちるは顔を洗うために、鳥の巣の庭にある小さな井戸のところまで移動をした。
井戸のところには小さな蛙が一匹いた。
みちるは井戸から水を汲み上げると、そのとても冷たい水で自分の顔を洗った。(白藤の宮の言う通りに、桶の中に映るみちるの顔はとてもひどい顔をしていた)
それからみちるは、部屋に戻って、着替えをする。
それからみちるは台所に戻ると、(ぐるりと着物の袖を巻き上げてから)早速白藤の宮のお手伝いを始めた。
「目は覚めましたか? みちる」
みちるを見て白藤の宮はいう。
「はい。もちろん」
と白藤の宮を見て、ご飯をしゃもじでまぜながら、白い湯気の中で、みちるは言う。
二人は出来立ての食事を昨日、晩御飯を食べた部屋まで持って移動をする。
それから二人は一緒に「いただきます」をして、それから少し遅めの朝ご飯を一緒に食べ始めた。
そこで、こほっと一回、白藤の宮は小さく咳をした。
その小さな音を聞いて、手に持った箸を止めて、みちるはその顔を白藤の宮に向ける。
みちるはとても不安そうな顔をしている。
その反面、(まるでみちるの分も余計に二人分笑うようにして)白藤の宮はにっこりと笑って、そんな自分を見ているみちるの顔をじっと見つめていた。
それから白藤の宮は何事もなかったかのように、箸を動かして、焼きたての魚の切り身を自分の口の中に入れた。
「美味しい」
と白藤の宮はそう言った。
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