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あなたと私。
私とあなた。
似ているようで似ていない。
あなたの大切なものはなに?
あなたの嫌いなものはなに?
私のこと、好き?
それとも、嫌い?
どっちだろう?
どっちでもいい。
私はあなたのことが好き。
世界で一番、大好き。
よく雨の降る森
鳥の巣のある深い森の中には、よく雨が降った。
静かな雨。
強い雨。
……気持ちのいい雨。
悲しい雨。
嫌な雨。
嬉しい雨。
ずっと音を聞いていたいと思うような雨。
冷たい雨。
そんないろんな雨が降った。
森の中に雨が降っているとき、若竹姫はいつも、白藤の宮と一緒だった。白藤の宮と一緒に森に降る雨をずっと、よく二人で一緒に眺めていた。
とても懐かしい思い出だ。
「雨、止みませんね」
と森に降る静かな雨を見ながら若竹姫は言った。
「ええ。そうですね」
とうちわで自分の顔をあおぎながら、にっこりと笑って白藤の宮はそう言った。
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