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 とても明るい夜の星と月の光に照らされて、その白い幽霊の女の子の姿はやけにはっきりと(まるで生きている人間のように)みちるの目に見えた。

 鳥の巣の縁側にある長い廊下の上に立っている女の子。

 その白い幽霊の女の子は、……みちるによく似ていた。

 私の子供のころにそっくりだと、みちるは思った。

 ……じゃあ、あれは私の幽霊? ……なのかな? 

 とそんなことを考える。

 でも、そんなことはありえない。

 なぜなら天の原みちるはここにいて、ちゃんと意識をもち、(私の魂がちゃんと、この場所にある証拠だ)命を持って、この世界の中にしっかりと存在しているからだった。

 では、あの女の子は誰だろう?

 みちるはもう一度、妖艶に笑っている幽霊の女の子を見る。

 よく観察して見ると、その幽霊の女の子は、白藤の宮の一人娘である夏の宮の姫のようにも見えるし、あるいは白藤の宮自身のの子供のころの姿にも、(みちるは白藤の宮の子供のころの姿は知らないのだけど、もし白藤の宮が子供だったら、と想像してみると、それはそこに立っている幽霊の女の子の姿と本当に鏡を見るように、そっくりだった)よく似ているようにも、思えた。

 あるいは宮中で出会う、みちると仲のいい桜の姫にも似ているようにも思えるし、みちるが密かに憧れているとても美しい(都で一番美しいとも噂されている)撫子の宮の子供のころにも似ているようにも思えた。

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