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うわ、とみちるは声に出さないように心の中でそう思った。
その星空は本当に美しかった。
今まで見上げたどんな星空よりも美しかった。
……綺麗。
みちるの目はその星空の輝きにあっという間に奪われてしまった。みちるは星空から目を逸らすことができなくなった。
怖いくらいに綺麗。
どうして今夜はこんなに星空が綺麗なんだろう?
そんなことをみちるは思った。
森の中で見上げる星空はいつも美しかったけど、今夜の星空の美しさは異常だった。
そんな満天の星空の中には明るい大きな丸い月が浮かんでいた。
黄色い色をした、本当に美しい月。
明るい月がそこにはあった。
みちるはじっとその月の輝きに目を向ける。
綺麗な月。
こんなに綺麗な月は、今までに見たことがないな。
そんなことをみちるは思った。
そうしてみちるがその目の動きを星空に奪われていると、くすくす、と誰かの笑う声が聞こえてきた。
ふと我にかえったみちるがその笑い声のしたほうに目を向けると、そこには白い着物をきた一人の小さな女の子の幽霊が立っていた。
黒くて長い髪をしたとても綺麗な女の子。
小さな女の子の幽霊はみちるを見て、にっこりと妖艶な笑みをして笑った。
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