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二人はお食事をあっという間に平らげた。
もともと白藤の宮はその美しくて華奢な体に似合わずに大食いなところがあり、みちるも都からの長い旅で、本当にお腹が減っていたので、いつもよりもずっと早く、二人で一緒に作ったお食事を食べ終えてしまった。
「ごちそうさまでした」
「はい。ごちそうさまでした」
みちると白藤の宮は満足そうな顔で、二人で一緒にご馳走様をした。
「みちる。実は桃が冷やしてあるのですが、食べますか?」
にっこりと笑って、自分のお腹のあたりを優しくさすっていた白藤の宮がみちるにいう。
「桃ですか?」みちるはいう。
「はい。桃です。私は昨日の夜に一つ食べましたけど、すごく甘くて美味しい桃でしたよ」ふふっと笑いながら白藤の宮は言う。
「はい。食べます」
にっこりと笑ってみちるはいう。
「じゃあ、今から桃を切ってあげます。あなたはここでゆっくりしていてくださいね」
そう言って白藤の宮は一人で立ち上がると、一緒についていこうとするみちるをそっと手をあげて「いいのよ。あなたはお客様なのだから」と言って止めてから、そのまま台所のあるほうに向かって歩いて行ってしまった。
白藤の宮がいなくなって、部屋の中にはみちる一人だけになった。
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