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 密かに憧れている白藤の宮にあなたのことを考えていると言われて、みちるの顔は真っ赤になった。

 みちるは膝枕をしてもらっている白藤の宮の柔らかい太ももの上からゆっくりとその顔をあげて白藤の宮のすぐ隣に正座の姿勢で座った。

「膝枕はもう終わりですか?」白藤の宮はいう。

「はい。もうじゅうぶんです」とみちるは言う。

「みちる。お腹は減っていますか?」

 その白藤の宮の言葉にみちるは正直に「はい。すっごく」とにっこりと笑って言った。

「じゃあ、お食事にしましょう。ご飯の支度ができるまで、いつものようにあなたは家の中でのんびりとしていてください。なにせみちるはお客さまですからね」と笑って白藤の宮は言う。

「そう言うわけにはいきません。今日は私もお手伝いします」とみちるは言う。

「あら? お手伝いしてくれるんですか?」白藤の宮は言う。

「もちろんです」

 雨の音を聞きながら、天の原みちるはそう言った。

「わかりました。じゃあ一緒に、二人でお食事の支度をしましょう。実は今日はとっておきのお魚があるんです」とにっこりと笑って白藤の宮は言う。

「楽しみです」

 ふふっと笑ってみちるは言った。(お魚はみちるの大好物だった。もちろんそのことを初めから白藤の宮は知っていた)

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