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「初めまして。俺の名前はルイ。ランクはA。君とパーティーを組みたいんだ。ここのギルド長が君なら実力は申し分ないってお墨付きをもらったからね。よろしくね。」
今目の前にいる男は何を隠そう、今さっき荒くれ男を拘束していた男だ。なぜか私たちとパーティーを組みたいらしい。しかもギルド長の勧めとほざいている。あまり人と関わりたくないことは、ギルド長は知っているはずなのに……。確認しないと。
無言で席を立ち、ギルド長に会うためにギルド長室に向かった。後ろから先ほどのルイという男がついてくる。
『カナデ気をつけろ。あ奴おのれの姿を偽っておる。おそらく名前も偽名だ。』
『そうなの? カイル。だったら余計ギルド長に確認しないとね。』
奏とカイルは後ろにいるルイに聞かれないように、念話で会話をしながら足を速めた。
ギルド長室まで来て、ノックしようとすると扉が開いた。
「よう。やっぱり来たか。詳しい話は中でするから入れ。」
出てきたのはカイザルさんだった。どうやら私たちが来ることは予想済みのようだ。中にはミレーナもいた。
「ギルド長、説明を願いします。私たちがあまり人と関わりたくないことはご存じでしょう。」
私は部屋に入るなりギルド長に詰め寄った。
「ああ。そのことについて今から詳しく話す。まずは座れ。」
奏はカイザルに促され、カイルとともにソファに座った。向かいには、カイザルとルイが座った。ミレーナは奏たちに紅茶を出した後部屋を出ていった。
「それじゃあ説明するぞ。まずルイはお前と同じAランク冒険者だ。」
カイザルは隣に座っているルイをさしながら話し始めた。
「諸事情でここ数年王都に言っていたんだが、こっちに帰ってくるときある依頼をされたんだ。その依頼というのが・・・・・・・。」
「ギルド長、ここからは俺が話します。『死神』さん、これから話すことは受ける受けない関係なしに絶対に他言無用です。」
言い淀んだカイザルの言葉をルイが引き継いだ。「他言無用」ということはとてつもない危険が伴うか、下手すると国家機密レベルの案件ということだ。それは奏が絶対にかかわりたくない案件だ。奏はひそかにこの案件を断る決意をした。
「私はここ、エルリナス公爵領のどこかに現れたであろう神の愛し後の保護を依頼されました。依頼主に関しては、明かせません。」
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